感染症外来

感染症外来について

感染症と聞くと、死に至る細菌やウィルスの病気を思い浮かべるかもしれませんが、実は、私たちが日常最もよくか かっている病気がこの感染症なのです。風邪、気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎などです。すなわち、急な発熱・頭痛・咳・腹 痛・下痢などは何らかの感染症の可能性が高いのです。しかし、日本で感染症を専門として診療をする外来は極めて少ないのが現 状です。その理由は、日本の医療が消化器科、循環器科、呼吸器科などのように臓器別に専門分野が分かれてしまったからです。 従来、感染症はこの各臓器別診療科がそれぞれ診療するのが主流でした。しかし、感染症の分野も日々変化しており専門的な情報 収集と分析が必要と考えられます。
当病院には感染症の隔離病棟がないため特殊な感染症の入院加療は行えませんが、その代わり、気軽に感染症の相談 ができる、敷居の低い感染症外来を目指しております。
熱が続いていて原因がはっきりしない、風邪にしては症状が長すぎる、何かのばい菌やウィルスが原因かもしれな い、感染症ではないかといわれた、性行為感染症かもしれないが泌尿器科は敷居が高い、などでお悩みの方、また、新聞などであ らゆる感染症の流行の報道がありますが、少しでも不安がある場合はお気軽に受診下さい。
また、麻疹(はしか)や、B型肝炎などのワクチン接種も行っております。原則として、木曜日が診察日です。
中川義久・芹川聖章が相談しながら診療にあたります。
定期的に感染症の話題を提供します。

中川理事長

理事長・院長

中川 義久

認定医・専門医
日本内科学会 認定内科医 総合内科専門医
日本感染症学会 感染症専門医 指導医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本化学療法学会 抗菌化学療法 認定医 指導医
日本プライマリ・ケア連合学会 認定医 指導医
日本病院総合診療医学会 認定総合診療医 指導医
日本抗加齢医学会 専門医
日本渡航医学会 認定医療職
日本エイズ学会 認定医
日本結核・非結核性抗酸菌症学会 認定医
ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター(ICD)

感染症の話題

ウルソがCOVID-19感染に有効?

ウルソがCOVID-19感染に有効?  アジアなどで新型コロナウイルスの死亡率が低い要因に、腸内細菌が関連している可能性があると、名古屋大などのチームが米科学誌に発表しました。計10カ国の健康な人を調べると、アジアや北欧では「コリンセラ(Collinsella)」という種の細菌を多く持つ人の割合が高く、この細菌は、ウイルスと細胞の結合を防ぐ物質を作り、過剰なサイトカインの発生を抑える作用があることがわかりました。名古屋大の平山正昭准教授は「今回は国単位での解析をしたが、今後は患者ごとにコリンセラの有無を調べて重症化の判別ができるようになるかもしれない」と話しました(共同通信 01月07日)。欧米の多くの国と比べ、アジアや北欧では新型コロナの死亡率が低く、何らかの要因(ファクターX)があるのではないかと指摘されていましたが、この腸内細菌であるコリンセラがファクターXの可能性があります。 名古屋大学の門松健治らは、ファクターXの候補として腸内細菌叢に着目しCOVID-19 死亡率と腸内細菌の関連を解析しました。公共データベースから OECD 10 カ国の 953 人の健常者の腸内細菌叢データをダウンロードして解析に用いました。解析の結果、腸内細菌コリンセラ属の比率が低いほど COVID-19 の死亡率が高いことがわかりました。また、クラスター解析を行ったところ 5 つの腸内細菌叢の型(エンテロタイプ)が見つかりました。COVID-19 死亡率はエンテロタイプ 1 から 5 に移行するにしたがって増えました。一方、コリンセラ属はエンテロタイプ1から5に移行するにしたがって減少しました。 コリンセラ属は肝臓で作られて腸内に放出される一次胆汁酸を二次胆汁酸であるウルソデオキシコール酸に変換することが知られています。ウルソデオキシコール酸は SARS-CoV-2 のアンジオテンシン変換酵素 2 (ACE2)への結合を防ぐことが最近報告されています2)。ACE2はSARS-CoV-2 感染時に最初に結合する受容体です。加えて、ウルソデオキシコール酸は炎症誘発性サイトカインの産生を抑制し、抗酸化や抗アポトーシス作用を有し、急性呼吸症窮迫候群 (ARDS)で肺胞液クリアランスを上昇させることが知られています。以上の結果から腸管内のコリンセラ属が産生するウルソデオキシコール酸がSARS-CoV-2感染を防ぎ、またCOVID-19 による肺炎の重症化を予防する可能性が示唆されました1)。 ウルソデオキシコール酸は通常、慢性肝疾患に良く処方される薬で安価で、軟便などの軽い副作用があるのみで処方しやすい薬です。この薬の内服でSARS-CoV-2感染を防ぎ、重症化を抑えることが出来るのでしょうか? 呼吸器疾患に対するウルソデオキシコール酸の有効性は以前にも実証されており、気道リモデリングに伴う病理組織学的変化のすべてにおいて有意な改善が見られています3)。このような効果は、Th-2由来のサイトカインの効率的な調節と気道上皮細胞のアポトーシスの抑制に起因すると考えられています3)。また、最近では、リポ多糖類誘発性肺水腫において、ALX/cAMP/PI3K経路を介して肺胞液クリアランスを促進し、急性呼吸窮迫症候群を改善することが示されており、ウルソデオキシコール酸はこの発表以前にもSARS-CoV-2感染症の治療薬として有望視されていたのでした。 ウルソデオキシコール酸は親水性の胆汁酸です。これは熊の胆汁の治療的に有効な成分であり、3000年以上前から伝統的な漢方薬で使用されてきました。通常、人間の胆汁にも存在しますが、総胆汁酸の3%程度しか存在しません。ウルソデオキシコール酸は近年、細胞保護作用と抗アポトーシス作用があるとの報告に加えて、顕著な抗炎症性と免疫調節作用の報告が相次いでおり、外国では網膜色素変性症、黄斑変性症、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病など、さまざまなヒトの臨床疾患を対象とした臨床試験が世界中で数多く行われており、また中国ではSARS-CoV-2感染症に対して熊の胆汁が推奨されているそうです。この安価で安全性の高い薬剤がSARS-CoV-2感染症のみならず呼吸器疾患、その他の全身疾患に有効である可能性に注目されているのです。また、腸内のコリンセラ属を増やす方法についての検討は今回調べた限りでは明らかに出来ませんでしたが、おそらく和食の影響が強いものと予想されます。また、コリンセラ属は抗生剤投与で死滅しやすいことは明らかにされていました4)。 令和4年1月17日  菊池中央病院 中川 義久 参考文献 1)腸内細菌 Collinsella 属が COVID-19 の感染・重症化を予防https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/PLOS_ONE_20211124.pdf 2)Subbaya Subramanian et al : Merit of an Ursodeoxycholic Acid Clinical Trial in COVID-19 Patientshttps://www.mdpi.com/2076-393X/8/2/3203)Saleem Abdulrab et al : Ursodeoxycholic acid as a candidate therapeutic to alleviate and/or prevent COVID-19-associated cytokine stormhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7261102/ 4)影山 亜紀子ら:ヒト腸内最優勢菌種であるCollinsella属 とその他関連菌種の薬剤感受性.腸内細菌学雑誌 2001 ; 14 ; 103 – 107 .

初めての経口 COVID-19 抗ウイルス薬―モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)

初めての経口 COVID-19 抗ウイルス薬―モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ) 2021年12月24日に製造販売を特例承認した米・メルク開発の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経口薬モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)について、12月27日から本邦でも処方できるようになりました。  かなり大きなカプセルです。1回4カプセル、1日2回、5日間の服用です。 作用機序はRNAポリメラーゼ阻害薬で、感染細胞内に侵入した新型コロナウイルスにおけるRNA依存性 RNAポリメラーゼに作用することにより、ウイルスRNAの配列に変異を導入しウイルスの増殖を阻害する作用です。レムデシビルやアビガンと同様な作用機序です1)。  臨床効果はランダム化プラセボ対照二重盲検試験という最も信頼性の高い方法で行われており、対象は軽度~中等症の入院を必要としないCOVID-19患者で、偽薬(プラセボ)またはモルヌピラビル(おそらく1日2回 5日間)服用したグループを比較しています。       プラセボ モルヌピラビル 29日までの入院または死亡 14.1 % ( 53 / 377 )死亡8人 7.3 % ( 28 / 385 )死亡0人  29日までの入院または死亡に至った被験者の割合が、モルヌピラビル群で7.3%、プラセボ群で14.1%となり、リスク減少率は48%で統計学的に有意な差が認められました。ただし、全ての被験者を対象とした最終解析では、モルヌピラビル群で6.8%(48/709例)、プラセボ群で9.7%(68/699例)となり、リスク減少率は30%に低下しています2)。 またモルヌピラビルは変異株(ガンマ、デルタ、ミュー)に対しても一貫した有効性を示した、とも記載されています。 有害事象の発生率はモルヌピラビル群35% vsプラセボ群40%、薬物関連の有害事象の発生率はモルヌピラビル群12% vsプラセボ群11%、有害事象のために治療中断した患者の割合はモルヌピラビル群1.3% vsプラセボ群3.4%とほとんど副作用は認められていません。懸念材料は構造式が似ているアビガンで催奇形性が確認されていることです2)。 副作用はほとんどありませんが有効性についてはやや懸念材料がありそうです。ちなみに有効性の懸念から韓国やフランスでは使用を承認していないそうです。 モルヌピラビルの用法・用量は、18歳以上のCOVID-19患者に1回800mgを1日2回、5日間投与です。症状発現から6日目以降に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータはありません。また、SARS-CoV-2ワクチンの被接種者は臨床試験で除外されたため、ブレイクスルー感染での重症化予防などの有効性を裏付けるデータもありません。 投与対象は18歳以上の患者のうち、日本感染症学会の「COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第 11 報」に従い、以下の危険因子を持っている人に投与が検討されます3)。以下に示します。①61歳以上、②活動性のがん(免疫抑制または高い死亡率を伴わないがんは除く)、③慢性腎臓病(CKD)、④慢性閉塞性肺疾患(COPD)、⑤肥満(BMI 30kg/m2以上)、⑥重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患または心筋症)、⑦糖尿病、⑧ダウン症、⑨脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症など)、⑩コントロール不良のHIV感染症およびAIDS、⑪肝硬変などの重度の肝臓疾患、⑫臓器移植、骨髄移植、幹細胞移植後、などが当初発表されました。 しかし、後に英国での PANORAMIC 試験の組み入れ基準における重症化リスク因子、すなわち、慢性腎臓病、慢性肝疾患、慢性神経疾患、慢性精神疾患、ケアホーム居住者、臨床医または看護師が臨床的に脆弱と判断した場合3)、なども含まれるに至っては18歳以上の大半の人が投与対象に含まれることになりました。 妊婦には禁忌、妊娠可能な女性は投与中に服用後4日間の避妊がすすめられています4)5)。 授乳婦に対しては、「治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること」となっていますが、臨床試験では授乳を避けることが指示されていました。 SARS-CoV-2陽性例が周囲との接触を極力避けるため、患者が薬局に行かずに自宅や宿泊療養施設に配送できる仕組みが整備されています。つまり、病院や医院で薬局に処方箋をFAXし、薬局は患者さんに服薬指導をしたのちに薬剤を患者さん宅に配送するようになっています。一部の病院や薬局で在庫配置も可能になるそうです。 モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)は重症化リスクをもった18歳以上の新型コロナ感染症の軽症~中等症の発症5日間までの外来治療として期待されるところです。 ただ、今後承認されるであろうファイザー社の内服薬よりやや効果が劣るデータです。   モルヌピラビル(ラゲブリオ) ニルマトレルビル・リトナビル(パクスロビド) 開発 メルク(国内の販売元はMSD) ファイザー 承認 2021年12月24日特例承認 米国では承認日本では未承認 作用機序 RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害 3CLプロテアーゼ阻害 使用時期 発症5日以内 発症5日以内 用法容量 1回4カプセル1日2回5日間 1回3錠1日2回5日間 対象 18歳以上、重症化リスク因子を有する軽症~中等症 12歳以上、40㎏以上、重症化リスク因子を有する軽症~中等症 効果 入院あるいは死亡のリスクをプラセボより30%減少 入院あるいは死亡のリスクをプラセボより89%減少  なお、ラゲブリオは特例承認であるため患者同意書が必要です6)。薬剤費の患者負担はありません。COVID-19 の診断はPCR、抗原定性・定量いずれでも適応されます。令和4年1月4日現在、当院での処方はまだできませんが数日中に処方できるように準備中です。 令和4年1月4日 菊池中央病院 中川義久 参考文献 1)ラゲブリオ(モルヌピラビル)の作用機序・特徴【COVID-19】https://passmed.co.jp/di/archives/169082)厚労省がMerck社のモルヌピラビルを特例承認、初のCOVID-19経口薬https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202112/573334.html?n_cid=nbpnmo_mled3)新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬の医療機関及び薬局への配分についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/000873667.pdf4)コロナ初の経口薬、使用上の注意点・入手法はhttps://medical-tribune.co.jp/news/2021/1227542754/?utm_source=recent&utm_medium=email&utm_campaign=mailmag2112285)ラゲブリオ添付文書https://www.msdconnect.jp/static/mcijapan/images/pi_lagevrio_inf.pdf6)患者同意書https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.msdconnect.jp%2Fstatic%2Fmcijapan%2Fimages%2Fdoui_lagevrio.docx&wdOrigin=BROWSELINK

しばしば体内で再活性化するヒトヘルペス6型( HHV-6 )

しばしば体内で再活性化するヒトヘルペス6型( HHV-6 ) ヒトのヘルペスウイルスは現在までに8 種類が発見されており、いずれのウイルスも初感染時にウイルスが増殖した後に増殖を停止し、ウイルス遺伝子が生涯保持される潜伏感染状態となります。この潜伏感染したウイルスは、何らかのきっかけで再び活動を開始し宿主の体内で増殖します。この現象を再活性化と呼び、ヘルペスウイルスの遺伝子活動によって自律的に行なわれる現象です。潜伏感染状態をとるウイルスは、レトロウイルスやアデノ随伴ウイルスなど、ヘルペスウイルス以外にもありますが、自律的に再活性化を生じるのはヘルペスウイルスのみです。 神経節で潜伏感染を生じるα-ヘルペスウイルス、マクロファージ系細胞で潜伏感染するβ-ヘルペスウイルス、B 細胞で潜伏感染し発癌性を有するγ-ヘルペスウイルスの3 つのグループに大別されます。ヘルペスウイルスは、同じ科に属するとは思えないほど、遺伝子の大きさや構造が多様です。また,潜伏感染・再活性化の機構も、不明な点が多いものの、グループごとに別々の機序を持つことが判っています。遺伝子構造や潜伏感染の機序が異なるにも関わらず、潜伏感染・再活性化という共通点を持つことは、この性質がヘルペスウイルスの生存にとって非常に重要であることを示しています1)。 「疲れるとヘルペスが出る」という事は良く聞かれますが、これは疲労時に単純ヘルペスウイルス 1 型(herpes simplex virus type 1 : HSV-1)の再活性化が生じることを示しています。この現象は一般に、疲労によって免疫力が低下するために、ヘルペスウイルスが再活性化するために生じると説明されてきました。ヘルペスウイルスの再活性化に関しては、免疫抑制状態の患者から再活性化ウイルスが高頻度で検出されることから、「免疫抑制が再活性化を誘導する」という説明がなされてきました。実はこの現象は再活性化したウイルスが免疫抑制状態では増殖し易いために観察されるのであり、ヘルペスウイルスの再活性化はむしろサイトカインの過剰産生によって誘導される傾向があることが解ってきました1)。 さて、ヒトヘルペス6型(HHV-6 )は,β-ヘルペスウイルスに属し、ほとんどの人で1 歳半までに初感染を生じ突発性発疹の原因となります。マクロファージと脳内において潜伏感染を生じ、小児期での再活性化は熱性痙攣の原因となります。実は、HHV-6 には世界中に広く分布し、突発性発疹の原因となるHHV-6 variant B(HHV-6B)と、最初のHHV-6 として分離されましたが、疾患との関わりが未だ確定しておらず、感染者の数もHHV-6B より少数であるHHV-6 variant A がありますが、通常、特に断らない限りHHV-6 はHHV-6B のことを指します2)。 近藤らの研究で、HHV-6は過度の就労で容易に再活性化して唾液中のウイルス量が増加し、休息により速やかにウイルス量が減少することからHHV-6 は現代人が抱える仕事のストレスによる疲労刺激で簡単に再活性化する性質を明らかにしました。HHV-6 の生存の戦略という観点からは、HHV-6 が仕事のストレスが中期的・長期的に続いて疲労している宿主の生存の危険を察知し、再活性化によって増殖し、他の宿主に移ることによって、自身の生存の確率を高くしているのだと推論しました。ヘルペスウイルスが、何らかのストレスによって生存の危機に立たされた宿主から再活性化という形で逃げ出す様は、船が沈む際に危険を察知していち早く逃げ出すネズミの様子を連想させる、と述べています1)。 このようにしばしば体内でHHV-6が増加して問題はないのでしょうか? 骨髄移植患者の70 %においてHHV-6 の再活性化が起こるといわれていますが、特別な症状はないようです。一部の人に、骨髄抑制、移植片対宿主病(graft-versus-host disease: GVHD)、脳炎、胃腸炎などが起こると報告されており、骨髄移植後の重要な病原体の一つとして注意されつつあります。ほかの実質臓器移植後のHHV-6 の再活性化も報告されており、30 %の腎臓移植後患者おいてHHV-6 の再活性化がおこり、その一部が 移植拒絶への関与も疑われています。またHHV-6 は最初AIDS 患者から分離されたウイルスであり、AIDS との関連はこれまで常に注目されてきています。HHV-6 の感染によってHIV のLTR プロモーターが活性化し,HIV 感染増殖が促進すると同時に、HHV-6 の感染によってCD4 分子の転写が促進され、HIV がより感染しやすくなるという報告もあります。その他、AIDS 患者では、HHV-6 感染によって重篤な肺炎、網膜炎、中枢神経系の損傷を引き起こしたケースも報告されています。その他、HHV-6 と口腔癌、慢性疲労症候群、多発性硬化症、薬性過敏症などの疾患との関連性も認識されつつあります。HHV-6の再活性化ですぐ症状が出るわけではありませんが、時々人に悪さをしている感じです2)。 薬剤過敏症症候群(Drug-induced hypersensitivity syndrome: DIHS)はある特定の薬剤を長期間摂取した後に発症する重症薬疹で、その本体は薬剤による免疫抑制から復活する過程の免疫再構築症候群と考えらえています。DIHS の特徴的所見としてHHV-6 がまず再活性化し(82%と言われています)、その後潜伏しているヘルペスウイルスグループのEBV(Epstein Barr virus)や CMV(cytomegalovirus)が次々に再活性化することです。これらのヘルペスウイルス属は同時に検出されるわけではなく、交代しながら順次検出されていきます。まるで各ウイルス群に連絡網があるかの如くです3)4)。 HHV-6の再活性化は直接的な病原性もさることながら、他のヘルペスウイルスグループに影響を与えて間接的に人に影響を与えている可能性もあります。 近年、生まれながらに染色体にHHV-6が組み込まれた (chromosomally integrated HHV-6 : CI-HHV-6)人がいることが報告されました。遺伝的に親から子に受け継がれたものと思われますが、現在までの報告では,約 1 %の健常人において CI-HHV-6 が認められます。これらの人は全有核細胞からHHV-6が検出され、しかもウイルス量が他の人に比べて多いことがわかってきました。さらに通常のHHV-6と同様に特定の条件下で再活性化することも解ってきました。しかし、生まれながらにHHV-6の遺伝子が組み込まれたことでどのような疾患に罹りやすいか?どのような不利益を被るかは現在研究中で不明な点が多いです5)。 全人口の約95%にHHV-6が潜伏感染しているとされています。私たちはHHV-6を再活性化させないように、一生うまく付き合っていかなければなりません。HHV-6は、私たち宿主が危機であると感じると、再活性化して増殖し、他の宿主に乗り換えようとするので、宿主の危機と察知されないようにする。例えば、極度の疲労をさける、余計な薬をのまない、ストレスを溜め込まない、というような努力をしなければいけません。私たちはHHV-6のご機嫌を伺いながら生きていかないといけないのです6)7)。 令和3年12月28日菊池中央病院  中川 義久 参考文献 近藤 一博:ヘルペスウイルス感染と疲労 . ウイルス 2005 ; 55 ; 9 – 18 . 湯 華民:ヒトヘルペスウイルス 6とヒトヘルペスウイルス 7(HHV-6, HHV-7) . ウイルス 2010 ; 60 ; 221 – 236 .  橋本 公二:薬剤過敏症候群とヒトヘルペス6 . モダンメデイア 2010 ; 56 ; 305 – 310 . 薬剤性過敏症症候群は免疫再構築症候群   森 康子ら:HHV-6 . 日本医師会雑誌 2020 ; 149 ; 1246 . ヒトヘルペス6型―突発性発疹、熱性痙攣、慢性疲労症候群からうつ病まで ニコラス・レガシュ著 二階堂 行彦訳 : 襲いくるウイルスHHV-6 ? 体内に潜む見えない侵入者を追う ? . ニュートンプレス , 東京 , 2000 .

禁煙外来 受付一時中止のお知らせ

禁煙外来 受付一時中止のお知らせ 毎週 月~金 内科にて禁煙外来を行っていましたが、処方薬の入荷が未定のため受付を一時中止いたします。尚、再開する場合はご連絡致します。

繰り返す成人の扁桃炎の手術適応は?

繰り返す成人の扁桃炎の手術適応は?  成人になってからも扁桃腺炎を繰り返している患者さんがおられます。 のど研究室https://www.ryukakusan.co.jp/nodolabo/disease/jpより引用  このようななぜ、口蓋扁桃は感染のターゲットになるのでしょうか? 口蓋扁桃は陰窩構造があり、中には細菌塊が認められます。また、前述のように口蓋扁桃の陰窩上皮のバリアは弱く口蓋扁桃への細菌侵入が起こりやすい構造になっています。このように、口蓋扁桃は抗原の取り込みを効率的に行うために、かえって反復感染、易感染性を起こしやすく感染臓器としての特徴をもちあわせています。理論的には、感染臓器としての反復感染には陰窩を含めた扁桃を摘出することが問題解決には有効と考えられます1)。小児科領域では、口蓋扁桃摘出術は小児耳鼻咽喉科の中でもっとも多く行われていた手術です。以前は反復性扁桃炎のため扁桃摘出術を受けることが多かったのですが抗生剤の発達と、免疫学的な機能の重要性が考えられて安易に摘出を行うべきではないという傾向となり手術数は減ってきました2)。近年は口蓋扁桃肥大による睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome : SAS)のためや、IgA 腎症のために手術適応となる症例が多くなってきています。         小児における反復性扁桃腺炎の手術適応はアメリカの耳鼻科学会 ( AAO-HNS ) では年に 7 回以上、2 年間に 5回以上、3 年間に 3 回以上ののどの炎症、ただし抗生剤アレルギーや薬剤耐性のある例、周期熱、アフタ様咽頭炎、扁桃周囲膿瘍を伴う扁桃炎は上記以外でも手術の対象とすることを勧めています。この基準はParadise criteria を参考にして作成されています。  Paradise criteria         反復性扁桃炎(過去1年間で少なくとも7回の扁桃炎、過去2年間で毎年少なくとも5回の扁桃炎、過去3年間で毎年少なくとも3回の扁桃炎 睡眠時無呼吸症候群 病巣疾患(病巣感染) その他(扁桃周囲膿瘍の既往、抗菌薬のアレルギー症例、扁桃炎症状が重篤で全身症状を来す、PFAPA症候群:周期的な発熱、アフタ性口内炎、咽頭・扁桃炎など)     Paradise JL,et al. N Engl J Med 1984;310 :674―683.  日本では新谷らが小児の扁桃摘出術の適応として反復性扁桃炎(1 年間に8回以上、2 年間、年に 4―5 回の扁桃炎の既応例)、SAS、IgA 腎症では手術が勧められる2)と提唱しています。また、より詳細な手術適応は文献1)に多く記載されています。 しかし、成人の具体的な手術適応の記載はあまりありません。 片山らの検討3)では、咽頭炎を繰り返している成人への扁桃摘出術により、短期的なGAS (A群レンサ球菌Streptococcus pyogenes(group A streptococcus))咽頭炎の再発抑制、全咽頭炎の発症回数減少、発熱・咽頭痛日数の減少が期待されます。周術期のリスクも高くはなく、GAS による咽頭炎を繰り返す場合に扁桃摘出術を実施することは支持できます(BMJ 2007;334(7600):939.)。また重度の症状を伴う咽頭炎を繰り返している成人への扁桃摘出術は、咽頭炎発症や咽頭痛を自覚する日数を減少させ、病院受診や欠席・欠勤日数を少なくすることが出来ます。手術療法は患者の一部には有益であると考えられますが、周術期のリスクを考慮して検討すべきです(CMAJ 2013;185(8):E331–6.)。などを考慮して、質の高いRCTはこれまで2つに留まり、どちらも長期成績についての報告はありません。年に3-4回発症し、特にGASによる扁桃炎が疑われる成人では、扁桃摘出術を行うことで短期的な扁桃炎発生率の減少が期待できます。しかし長期的な効果については不明です。再発性扁桃炎への手術に関する推奨度は、各ガイドラインでまちまちである。と結論しています。 成人については一定の見解はなく、上記のParadise criteriaを参考にしながら個人個人で判断していくしかないのでしょう。 菊池中央病院   中川 義久令和3年12月17日 参考文献 1 ) 氷見 徹夫ら:扁桃・アデノイドの基礎知識と手術治療に関連する問題点 . 日耳鼻 2016 ; 119 ; 701 – 712 .2)新谷 朋子ら:小児耳鼻咽喉科疾患に対する手術療法の選択 . 咽頭―扁桃摘出術 . 小児耳 2011 ; 32 ; 276 – 281 . 3)片山 順平ら:成人の繰り返す扁桃炎への扁桃摘出術 . J Hospitalist Network. Clinical Question  2016年11月7日

見逃してはいけない高齢者の急速進行性HAM

見逃してはいけない高齢者の急速進行性HAM  内科外来では高齢者が多いため、両下肢の筋力低下や感覚異常を訴える患者さんがかなりの確率でおられます。ある研究では内科外来通院中の患者さんの約半数になんらかの腰椎由来の症状があり、その半数以上が腰部脊柱管狭窄症であったという結果が報告されています1)。実際、当院を受診される内科の患者さんは整形外科も一緒に通院されているかたが多くおられます。しかし、なかには感染症に伴う脊髄症状が原因のことがあり、早期の治療で改善することがあります。その病気がHTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-associated myelopathy / 以下HAM)です。現在、全国で約3,000人が罹患されていると推測されています。HAMが発症する原因は、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)に感染した血液中のTリンパ球が脊髄の中に入り込み、慢性的な炎症を起こすことが原因と考えられています。 HAMの症状としては以下のようなものが主に挙げられます。なんとなく歩きにくい、足がもつれる、走ると転びやすい、両足につっぱり感がある、両足にしびれ感がある、尿意があってもなかなか尿がでない、頻尿になる、便秘になるなどです。これらの症状の進行は個人差がとても大きいという特徴があります。したがって、将来的に病気が進行していくことを出来るだけ防ぐために、疾患活動性や重症度などを調べる検査をして、ひとりひとりの病状に応じた治療を受けることが重要です。 そのためにはHAMを早期に疑い専門の神経内科医に紹介する必要があります。 さて HTLV-1はどういうウイルスでしょう。ヒトT細胞白血病ウイルス1型(Human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)は成人T細胞白血病・リンパ腫( Adult T-cell leukemia:ATL)、HTLV-1関連脊髄症(HAM)およびHTLV-1ぶどう膜炎(HTLV-1 uveitis:HU)などの疾患を引き起こします。同じレトロウイルスのエイズウイルスと近縁のウイルスにですが、HTLV-1とエイズウイルスには大きな違いがあります。エイズウイルスは感染すると爆発的に体内でウイルスが増殖し、そのウイルスそのものが他の人へも感染を拡げていきますが、HTLV-1は細胞内に感染して、他の細胞へは細胞同士の接着を介して感染していきます。したがってフリーの状態で感染するエイズウイルスに比べて感染力は弱いです。また感染した細胞も死滅することなく生き続けますので体内に多くの感染細胞が存在することになります。その感染細胞を免疫細胞が攻撃するためにHTLV-1感染症は腫瘍疾患のみならず慢性炎症性疾患をおこすことが特徴です2)。HTLV-1の主な感染経路は感染細胞が感染する必要があるため、母子感染(垂直感染)、性感染(水平感染)および輸血の3つのみです。献血者の抗体スクリーニングが開始されて以降は、輸血による感染は見られていません。現在では、母子感染、特に母乳を介した感染が主要な感染経路と考えられています。また近年、性行為感染症も注目されています。母乳による感染に対しては、断乳や人工乳による予防が浸淫地域で試みられており、一定の効果を挙げています3)。 HTLV-1関連疾患はHTLV-1感染者(キャリア)から発症しますが、キャリアの大部分は無症状です。HTLV-1キャリアおよび関連疾患は、我が国では九州・沖縄地方を含む南西日本に特に多く見られていましたが、現在では日本中に広く分布しています。日本は先進国の中で唯一HTLV-1の浸淫国です。 HAM は痙性脊髄麻痺を呈する自己免疫性慢性炎症性疾患で、年余にわたる慢性進行性の経過を特徴とする疾患ですが、その悪化速度は個人差が大きく、稀に比較的急速な経過(数か月)で悪化する急速進行性HAM という疾患が存在することが近年報告されるようになりました4)。急速性進行性HAMは特に高齢者に多く、弛緩性対麻痺や腱反射低下を認め、副腎皮質ステロイドホルモン剤に比較的よく反応することも解ってきました5)。  HTLV-1キャリアは母乳感染予防などの努力により日本では減少することが予測されていましたが、最近の献血者の全国調査では、九州や沖縄では減少傾向にあるものの、首都圏や中部地方などの都市部ではむしろキャリア数が増加傾向にあり、全体では約100 万人で1980 年代とほぼ不変であることが報告されています6)。これらのキャリアのうち、母児感染でキャリアとなった場合にATLは年間1000人発症し(生涯発症率5%)、発症年齢の中央値は58 歳です。HAMの場合の発症平均年齢:45.3 歳で、キャリアからの発症確率はATLよりはるかに少ないと考えられています。 現在、HAMの治療は、インターフェロン(interferon、以下 IFN)αやステロイド薬が治療の主流ですが、IFNαの効果は限定的で、主にステロイドの長期内服が行われています。  しかし、近年、90%のATL患者において腫瘍化したT細胞にCCR4(抗CCケモカイン受容体4)の発現が見られることが明らかにされ、それに引き続く一連の研究によって、CCR4を標的とするヒト化モノクローナル抗体医薬品であるモガムリズマブが開発されました。モガリズマブは再発・難治性ATLに対して行われた単剤投与の臨床第II相試験において、奏効率50%、無病生存期間中央値5.2カ月、全生存期間13.7カ月と非常に有望な結果が得られたため、ATL治療薬として2012年に薬事承認を受けました8)。モガムリズマブは ATL の治療薬としてわが国で開発された薬剤ですが、HAM において HTLV-1 感染細胞を劇的に減少させる唯一の薬剤であり、HAM の治療に大きな変革をもたらすと期待され、現在、治験が進行中です。 HAMは早期発見することで患者さんのADLを改善する可能性があるにもかかわらず、一般医師の本疾患に対する認識度は薄く、診断がつくまでに年単位で時間を要する場合があります。その間に症状が進行し、重症化する患者がいまだに見られることが問題視されています。また近年、HTLV-1 に感染している関節リウマチ患者での治療抵抗性や免疫抑制療法における HTLV-1関連疾患の発症リスク等の問題1や HTLV-1 陽性ドナーから陰性レシピエントへの生体腎移植において、移植後にレシピエントの 87.5%が HTLV-1 に新規感染し、40%が HAM を発症することが報告されたことから、関節リウマチ患者の治療や臓器移植医療の現場でも HTLV-1感染に対する指針の策定が求められています9)。 菊池中央病院   中川 義久令和3年12月3日 参考文献1 ) 大島 精司ら:高齢慢性疾患患者における腰部脊柱管狭窄症のスクリーニングと合併率の検討 . 日腰痛会誌 2008 ; 14 ; 80 – 86 .2 ) 義江 修:ケモカイン受容体CCR4 とHTLV-1 感染,ATL 発がん . ウイルス 2008 ; 58 ; 125 – 140 .3 ) 松岡 雅雄:ヒトT細胞白血病ウイルス1 型感染症 . 日内会誌第 2012 ; 101 ; 725 – 729 .4 ) 春木 明代:急速進行性HTLV-1 associated myelopathy 様の症状を呈し,後に成人T 細胞白血病を発症した79 歳女性例 . 日老医誌 2009;46:184 – 187 .5 ) 山野 嘉久:HTLV-1関連脊髄症 . 日内会誌 2021 ; 110 : 1582 – 1587 .6 ) 山野 嘉久:HTLV-1 関連脊髄症(HAM) . ウイルス 2019 ; 69 ; 29 – 36 .7)山野 嘉久:HTLV-1 関連脊髄症(HAM)の患者参加型の研究と創薬 . Neuroinfection 2020 ; 25 ; 87 – 91 .8)福島 伯泰:HTLV-1関連疾患に対する新規治療法の展望 . 日内会誌 2017 ; 106 ; 1417 – 1422 . 9)HTLV-1 関連脊髄症(HAM)診療ガイドライン 2019,https://www.neurology-jp.org/guidelinem/ham/ham_2019.pdf

帯状疱疹ワクチンは2種類あります

帯状疱疹ワクチンは2種類あります  帯状疱疹ワクチンが時々テレビでコマーシャルされています。 帯状疱疹は、過去に水痘(水ぼうそう)に罹患した人が、体内に潜伏する水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再燃によって発症する疾患です。水痘に罹患すると、体内ではVZV 特異的な細胞性免疫が誘導されて一度治癒しますが、VZV は知覚神経節に潜伏します。加齢、疲労、ストレスなどがきっかけとなり細胞性免疫が低下すると、VZV が再活性化し、神経の支配領域に限局して皮疹が出てきます。帯状疱疹は細胞性免疫が低下する、50歳代以上に好発する疾患です。国立感染症研究所のデータによれば、成人の約 9 割が VZV に既感染で、帯状疱疹の発症リスクを抱えているとされています1)。下記に示すような状態が帯状疱疹のリスクファクターとなります。 帯状疱疹のリスクファクター:VZV感染歴(水痘)、年齢>50歳、免疫抑制状態、免疫抑制剤の使用、HIV/AIDS、骨髄・臓器移植、悪性腫瘍、長期のステロイド使用、精神的ストレス、外傷。  帯状疱疹で問題なのは、50 歳以上の患者の約 2 割が悩まされるという帯状疱疹後神経痛(PHN)です。鎮痛薬や抗うつ薬などの薬物療法、神経ブロック療法など行っても難治性で長期間、強い痛みに悩まされるケースもあり、高齢者や帯状疱疹の重症度が高いほど PHNが起こりやすいとされています。 さらに問題なのはPHN以外にも帯状疱疹は多くの合併症を起こし、中枢神経系では脳髄膜炎、脊髄炎、血管系では脳血管障害、末梢神経系では運動神経麻痺。眼科系では眼瞼結膜炎、角膜炎、ぶどう膜炎、網膜炎。耳鼻科系では耳鳴、目眩、顔面神経麻痺などです2)。しかもこれらの合併症は一旦起きてしまうときわめて難治性であるという問題もあります。 これから小児の水痘ワクチン定期接種が続けられていく以上、水痘の発症は激減し、水痘の自然感染を受けている成人はますます VZV に曝露する機会が減少し、その結果、VZV 特異的細胞性免疫が再活性化せず、また、免疫を抑制する薬剤の普及などによって、今後、帯状疱疹を発症する可能性がますます高くなると考えられます。そこでワクチンを接種する必要があります3)。 2020 年 1 月に乾燥組換え帯状疱疹ワクチンであるシングリックスが発売され、従来の生 ワクチンと合わせて2種類のワクチンが使用できるようになりました。両者の違いを表にしました。  アメリカ疾病予防管理センター(CDC)では50歳以上の成人を対象とした帯状疱疹の予防にはシングリックスを推奨しています。シングリックスの方が有効であることは間違いありませんが、数倍の値段で、かつ接種部痛がかなりの頻度で起こりますので担当医師とよく相談してどちらを接種するか決めてください。なお当院ではシングリックスは1回22000円×2回、生水痘ワクチンは9405円×1回で行っております。 菊池中央院  中川 義久令和3年11月19日 参考文献 1 ) 若者に帯状疱疹が急増中―50歳以上はワクチン考慮https://nobuokakai.ecnet.jp/info/topic/554/2)渡辺 大輔:帯状疱疹ワクチン . ウイルス 22018 ; 68 ; 21 – 30 .3)松尾 光馬:ヘルペス性疾患に対する診断と治療 . 耳展 2019 ; 62 ; 134 – 1434)岩月 哲氏:帯状疱疹予防ワクチン. 日本医師会雑誌 2020 ; 149 ; 1226 .

子宮頸がんワクチン 積極的接種呼びかけの再開めぐる議論開始

子宮頸がんワクチン 積極的接種呼びかけの再開めぐる議論開始  接種の積極的な呼びかけが8年以上中止されている子宮頸がんワクチン(以下HPVワクチン)。厚生労働省の専門家部会が呼びかけを再開するかどうか議論を始めました。子宮頸がんは年間約1万人が罹患し、約2,800人が死亡しており、患者数・死亡者数とも近年漸増傾向にあります。特に、他の年齢層に比較して50歳未満の若い世代での罹患の増加が問題となっています。  子宮頸がんの95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。子宮頸部に感染するHPVの感染経路は、性的接触と考えられます。HPVはごくありふれたウイルスで、性交渉の経験がある女性のうち50%~80%は、HPVに感染していると推計されています。性交渉を経験する年頃になれば、男女を問わず、多くの人々がHPVに感染します。そして、そのうち一部の女性が将来高度前がん病変や子宮頸がんを発症することになります。 この発がん性ウイルスの感染予防目的にHPVワクチンが開発されました。2006年に4価のガーダシル、2価のサーバリックスが海外で発売され、本邦では2010年に承認され任意接種の時期を経て2013年4月から国の予防接種法の改正に伴い、性交を経験する前の、小学6年から高校1年生を対象にHPVワクチンの無料定期接種が開始されました。その前後からワクチン接種をうけた女児が奇異な症状に悩まされている実情が報道されるようになりました。手足の疼痛、震えで歩けなくなったり、不登校になったり、四肢を奇異に動かす姿がテレビで繰り返し報道され複合性局所疼痛症候群( CRPS )という言葉がクローズアップされました。これは自律神経障害を伴う慢性疼痛の1種と理解されています。 2013年6月の時点で全国の医療機関から厚生労働省へ副反応として報告された事例は1196例、このうち重篤と判断されたのは106例でした。この間のワクチン接種回数は865万回であり、副反応の発生率は0.01%と決して高いわけではなかったが、報道の過熱ぶりも加わって、これは社会問題化されました。そこで厚生労働省は研究会を設置し、症例を検討しました。その結果、これは看過できないものとして2013年6月にHPVワクチンの積極的な接種勧奨の差し控えを発表しました。以来、8年以上にわたってこの状態が続いているのです1)。積極的に接種を勧める取り組みはしないが、接種を希望する方は定期接種として接種を受けることが可能な状態です。接種の呼びかけを再開するかどうかは判断せず、定期接種になる前に70%以上あった接種率は1%を下回りました。最近の論文ではこのまま子宮頸がんワクチン接種率低下が続くと1994―2004年生まれの女性のうち約2500人が子宮頸がんになり、そのうち500人が亡くなると予想されています2)。 今回の議論の焦点は、接種後に報告された奇怪な症状と、ワクチン接種との因果関係はどうか?ということです。 2017年11月の厚生労働省副作用検討部会の検討では多様な症状とワクチン接種との関連性は否定されており、また報告された多様な症状を呈する人はワクチンを接種しなくても一定数存在し、12~18歳女子では10万人あたり20.4人存在すると報告しました3)。 WHOの検討ではHPVワクチンは世界130ヵ国以上で接種され、特有な副作用は否定されており、各国で接種プログラムに組み込むように繰り返し提唱しています3)。なお、海外ではすでに9つの型のHPVの感染を予防し、90%以上の子宮頸がんを予防すると推定されている9価HPVワクチンが公費接種されており、日本では2020年7月21日に、厚生労働省より製造販売が承認されました3)。以上のように接種勧奨の中止にいたった多様な副作用は現状では否定されています。ワクチンの副作用とされた多様な症状を訴える患者さんからの髄液検査では中枢神経の自己免疫反応の関与が明らかになっていますが、ワクチンとの関連は証明できておりません4)。 以上のようなこれまでの科学的証明により多種の症状とワクチンの関連性は否定され、ワクチン接種の勧奨は再開されるものと思われます。 しかし、それに反対する人たちがいるのもまた事実です。ワクチン有害説を唱える人たちがいるのです。ワクチン有害説とは,「ワクチン接種はヒトにとって有害である」という基本的な考えのもと、社会および個人に対してワクチン接種の危険性を訴える主張の総称です。アンチワクチンや反ワクチンとも呼ばれ、世界的に運動が展開されています5)。彼らの論点は A: ワクチンを接種するよりも,感染症に自然罹患したほうがよい B: ワクチン接種によって深刻な副反応が引き起こされる(自閉症など) C:ワクチンの効果を実感できない D: 医師や製薬会社の陰謀によって,本来必要のないワクチンを打たされる。です。 しかし、HPVワクチンに関してABC はいずれも数学的確率で証明されたもので、Dに関しては透明性のある議論と科学で立証され、否定できるものです5)。このような非科学的なワクチン有害説は歴史的には150 年前に種痘予防が本格化したころから既に始まっており、このような運動の基本的な動機は「社会に強制されてワクチンを打たされている」という認識に対する拒否感からくるものとされています5)。 ワクチン有害説の人たち以外にもワクチンに反対する人達が存在します。 HPV ワクチン接種後に多くの症状を訴えた人たちはワクチン推進派の人たちから、詐病扱や精神病扱いされてひどく傷つくことになったのです。さらに、予防接種法の改正により、本来受けられるべき補償も受けられずに係争となっているのです6)。 ノーベル経済学賞を受賞した Daniel Kahneman によると、「人々は病気に自然罹患して死ぬよりも、ワクチンの副反応によって死ぬことを恐れる傾向がある」と述べています。HPVワクチンの接種勧奨はおそらく再開されるでしょうが、丁寧な説明と被害者救済が不可欠でしょう。 令和3年11月12日菊池中央病院 中川 義久 参考文献1)木下 朋美:子宮頸がんワクチンの副反応と神経障害. 信州医誌. 2016 ; 64 ; 103 – 111 . 2)笹川 寿之:若年者のHPV感染とワクチン普及の必要性 . 日本感染症学会 東日本学術集会抄録2021 ; pp 74 . 3)尾内 一信:我が国におけるヒトパピローマウイルスワクチンの現状 . ファルマシア 2019 ; 55 ; 1039 – 1043 . 4)高橋 幸利ら:ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん)ワクチン接種後にみられる中枢神経系関連症状 . 日本内科学会雑誌 2017 ; 106 ; 1591 – 1597 .5)山本 輝太郎ら:ワクチン有害説を科学的に評価する . フォルマシア 2019 ; 55 ; 1024 – 1028 .6)種田博之:HPV ワクチン接種後の有害事象/健康被害をめぐる係争―スティグマの視点よりー . 関西学院大学 先端社会研究所紀要 2021 ; 18 ; 1 – 16 .

アビガンが有効? -SFTS-

アビガンが有効? -SFTS-  ウイルスを保有するマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群」(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome : SFTS)が、熊本県内で急増しています。今年の感染者数は、過去最高だった昨年1年間を8月時点ですでに上回り、死者も出ました。熊本県によると、今年の感染者数は8月1日時点、8人で、過去最高だった昨年の6人を超えています。県南で多く発生しており、増加の原因は解っていません(朝日新聞デジタル2021年8月7日). SFTSは日本国内で2013年に患者が初めて確認されて以来、西日本を中心に600例(2020年末時点)近い感染例が報告されています。ダニが媒介する新種のウイルス感染症で、SFTSを発症したペットのネコやイヌからヒトに感染し、死亡例も報告されています。致死率が3割前後と極めて高く、予後不良の疾患で典型的な人獣共通感染症であり、今後も注意が必要な感染症です。 SFTS ウイルスはブンヤウイルス目フェヌイウイルス科 フレボウイルス属に属しており、マダニの刺咬がヒトや動物への主要な感染経路です。全ての哺乳動物が感染しうると考えられています1)。しかし、SFTS患者の血液や体液に触れた患者の家族、治療に携わった医療従事者への感染例があり、接触感染の可能性はありますが、飛沫感染や空気感染の報告はありません。これらから、HIVや肝炎ウイルスなどのウイルスと同等の感染予防策が必要で、院内感染対策も重要です2)。日本では西日本を中心に発生していますが、国内調査によるとSFTSウイルス保有マダニは国内に広く分布し,全国で感染の可能性があります2)。1年中発生はありますが、マダニの活動が活発になる 4月から10月にかけて患者数が多く、特に 5 月から8 月はリスクが 高い時期です。  SFTS 患者の症状は、発熱、血小板減少、白血球減少はほぼすべての患者に認めらます。それ以外に、神経症状、全身倦怠感、下痢、リンパ節主張、食欲不振などが多くの患者に認められます。神経症状、出血傾向、紫斑、消化管出血などが認められた場合、死亡するリスクが高くなります。それ以外に,肝酵素,クレアチニンキナーゼなどの上昇も報告されています。骨髄検査では血球貪食症候群を示している頻度が高く、それを反映してLDHの高値やフェリチンの上昇が認められます。しばしばDICを示す血液凝固異常も示します。SFTS患者との接触歴もない健常人にも抗SFTSV抗体が検出されたとの報告があり2)感染しても必ずしも発症せず、一部には不顕性感染となる例があるようです。 鑑別診断はツツガムシ病や日本紅斑熱などのリケッチア症などが挙がりますが、SFTSでは高度の炎症反応があるにもかかわらずCRPの上昇が認められないことが特徴として挙げられます。 SFTSを鑑別疾患として想定するには、ダニ咬傷の痕跡や病歴が非常に有用です。しかしながら、ダニ咬傷のあと、いわゆる刺し口が認められない症例が少なくなく、Jaeseungらの報告はマダニ咬傷の痕跡を指摘できたものは 31%、日本国内の報告でも刺し口が確認できた例は半数に満たないことから、SFTSを疑う患者においてマダニ咬傷が認められない場合でも否定することはできません2)。  病歴や症状、一般的な血液検査所見などから診断することは困難で、SFTSの確定診断には患者の血液、尿、髄液などを用いたRT-PCR法による遺伝子検査が有用です。保健所に連絡すると測定することが可能です。 SFTSの病態はまだ不明な点が多いですが高炎症性サイトカイン血症による多臓器障害がその中心と考えられています。高齢者で重症化しやすく新型コロナウイルス感染症と共通した病態も考えられます3)。 SFTSの治療法は確立されていません。ステロイドやリバビリンのの投与も行われましたが治療効果は得られませんでした。しかし、日本でファビピラビル(アビガン)がSFTSのウイルスの増殖をマウス実験で抑制することが報告されました4)。 アビガンは抗インフルエンザ薬としてわが国で開発された薬剤であり、新型コロナウイルスにも有効性が期待された薬剤です。日本で実施された臨床試験では重症例も含め死亡率を10%台に低下させることが示されました。さらに重篤な副作用は認められませんでした。この結果を受けて企業治験も行われ良好な結果が得られたので現在承認申請に向けた手続きが進行中です3)。  国立国際医療研究センター国際感染症センター国際感染症対策室(重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引き(第 3版)8)より  さて、アビガンは実際に新型コロナウイルス感染症に有効なのでしょうか?日本呼吸器学会のホームページ5)には2021年6月15日時点では、ファビピラビルのCOVID-19に対する治療効果に関する報告では、藤田医科大学が中心となって実施されたオープンラベル試験、ロシアで行われたランダム化比較試験、中国から報告された抗体カクテル療法治療群とファビピラビル治療群を比較する非ランダム化試験が主なものですが、上記のいずれの試験でもファビピラビル投与によりウイルスの消失を早め、解熱などの症状改善が早まる傾向が示されています。ファビピラビルは1週間以内の投与により効果的であることが示唆されています。今後の臨床試験の結果とその論文化に注目していく必要があると結論しています。 令和3年11月2日菊池中央病院 中川 義久 参考文献1)前田 健:重症熱性血小板減少症候群(SFTS). J. Vet. Epidemiol. 2018 ; 22 ; 51 – 52 . 2)荒木 慧ら:血球貪食症候群を呈し急激な転帰をたどった重症熱性血小板減少症候群の1例 . 日内会誌 2016 ; 105 ; 2230 – 2236 . 3)安川 正貴:重症血小板減少症候群 . 日内会誌 2021 ; 110 ; 1797 – 1801 . 4)Koichiro Suemori et al : A multicenter non-randomized, uncontrolled single arm trial for evaluation of the efficacy and the safety of the treatment with favipiravir for patients with severe fever with thrombocytopenia syndromesevere fever with thrombocytopenia syndromehttps://doi.org/10.1371/journal.pntd.00091035)日本呼吸器学会 COVID-19 FAQ 広場https://jrs.hatenablog.com/entry/2021/06/16/001500

梅毒の増加止まらず!新しい検査法と治療薬

梅毒の増加止まらず!新しい検査法と治療薬  日本における性感染症の発生動向調査によると、梅毒が 2012 年から急増しています。感染症法五類届出によりますと、その増加の程度は,2012 年に比し 2017 年には男性で 5.7 倍、女性で 10.3 倍と激増しています。1970年に 6,138 例を記録して以降 5,400 例を超えた年はなく、1993 年からは 1,000 例未満であったものが、46 年ぶりに 1971 年を上回る 5,819 例という多数の報告となっています。さらに 2018 年の届出数では 7,002例と増え続けています1)。 文献1)より転載  最近の傾向として、①異性間性交渉での感染増加(約4900件:2018年)、②20代女性患者の増加(約1200人:2019年)、③性風俗産業関連の件数増加(4575件:2016年)が報告されています2)。 梅毒は the great imitator(偽装の達人)といわれます。自然に良くなったり、悪化したり、変幻自在な病態をとる本疾患において,典型例はむしろ少なく診断は非常に難しいと言えます。感染症であるため病原体の検出が重要であることは無論ですが、検体採取が難しく、かつ梅毒PCRは保険収載がなく実臨床で使用されることはなく、その診断の拠り所は surrogate marker である血液中の抗体検査に頼るしかありません。 梅毒抗体にはトレポネーマ抗体と、非トレポネーマ脂質抗体があります。・梅毒トレポネーマ抗体:梅毒特異抗体検査には、TPHA、TPPA、TPLA、TP 抗体、FTA-ABS 等さまざまな手法・呼称があります。梅毒に特異性が高く、これが陽性であるということは梅毒感染の存在~既往を示しています。・非トレポネーマ脂質抗体:梅毒特異的ではありませんが、梅毒の活動性の指標となる検査と言われてきました。梅毒血清反応検査(STS; Serological test for syphilis)と言えば、通常、本検査を意味します。わが国では事実上、RPR 法のみが利用可能です。 さて、近年、梅毒の検査手技が変化し、その検査結果解釈に変化が生じています。この2つの検査法を組み合わせて梅毒の診断をするのですが、従来の希釈倍率法(用手的検査)から自動化法へ移行している施設が多くあります。自動化法では①TP抗体がより早期に陽性となる、②治療効果判定は「RPR1/4以下」から「RPR半分以下」に変更が必要です。そのため希釈倍率法で「RPR陰性かつTP陽性は梅毒治癒後」と判断していたものを、自動化法では「RPR陰性かつTP陽性は早期梅毒の可能性」と考え、患者の臨床症状を踏まえて治療を検討するようになりました2)。  梅毒診療ガイドラインでも「近年、RPR陰性で梅毒TP抗体のみ陽性の早期梅毒の報告が増えてきた」「梅毒の診断にTP抗体の陽性を重視すべきである」とあります3)。 次に治療効果判定です。治療開始後2〜4週間でRPRを検査し、「自動化法ではおおむね2分の1」「希釈法では4分の1」に低減していれば治療有効と判定し、治療を終了します。その後は3カ月前後の間隔で1~2年程度フォローします。TP抗体のみ陽性の場合は、TPが減少傾向または、治療開始4週間後のRPRが上昇していなければ治療有効と判定し治療を終了します(治療1カ月後のRPRが上昇している例はたまにありますが、再感染が無ければ、その1~2カ月後にはほとんどが良好にRPRが低下します)。 以下にガイドラインの診断の手引きを示します 文献3)より転載  梅毒の治療についてですが、日本以外での標準治療法は、ベンザチンペニシリンG 240万単位1回筋注です。この治療法は、世界的には最も推奨される標準治療法で長い間の臨床的な経験により確立されてきました。しかし、日本国内では、過去にペニシリン・アレルギーによる死亡例が発生したためベンザチンペニシリンGの筋注は使用することができませんでした。そのため、アモキシシリン内服が推奨されています4)。しかし、念願のベンジルペニシリンベンザチン筋肉注射薬(ステルイズ水性懸濁筋注)が2021年7月30日の厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会で承認了承され、今年10月に正式に承認となる見込みです。いままで2~12週の長期のペニシリン内服が必要でしたが、1回の注射で治療終了できることになり、治療が簡便になる予定です2)。しかし、10月15日現在はまだ薬価収載されていません。 令和3年10月15日菊池中央病院 中川 義久 参考文献1)荒川 創一ら:梅毒:その増加の現状と正しい診断・治療について . 日本化学療法学会雑誌 2021 ; 67 ; 466 – 482 .2)柴田 綾子:シン・梅毒診療〜新しい検査方法と届け出・これからの治療薬〜 . 日本医事新法 2021 ; 5078 ; 67 .3)荒川 創一ら:梅毒診療ガイド 2018 日本性感染症学会梅毒委員会梅毒診療ガイド作成小委員会4)髙橋 聡:性感染症―増加する梅毒― . 日内会誌 2018 ; 107 ; 931 – 937 . 

2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方

2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方 日本感染症学会から2021-2022 年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方1)が発表されたのでここで要約します。 幸いなことに、2020-2021 年シーズンは、インフルエンザウイルスの検出報告はほとんどなく 、心配されていたインフルエンザとCOVID-19の同時流行はみられませんでした。これは、COVID-19 対策として普及した手指衛⽣やマスク着用、三密回避、国際的な⼈の移動の制限等の感染対策がインフルエンザの感染予防についても効果的であったと考えられます。またインフルエンザウイルスと SARS-CoV-2 との間にウイルス干渉が起こった可能性もあります。では、2021-2022 年シーズンについてはどうでしょうか。北半球の冬季のインフルエンザ流行の予測をするうえで、南半球の状況は参考になります。オーストラリアからの報告によると、2021 年流行シーズンにおいて、インフルエンザ確定患者数は昨年同様きわめて少数です 。このことより、2021 年冬季は北半球での流行を認めないのではないかとも考えられますが、アジアの亜熱帯地域においては様相が異なります。WHO からの報告によると、インドやバングラデシュでA香港型の流行が認められています。これらの国々では、インフルエンザワクチン接種が普及しておらず、社会全体のインフルエンザに対する免疫が低かったと思われます。ただし小流行を繰り返すことで、これらの地域でウイルスが保存され、今後国境を越えた⼈の移動が再開されれば、世界中へウイルスが拡散される懸念があります。前シーズン、インフルエンザに罹患した⼈は極めて少数であったため、社会全体の集団免疫が形成されていないと考えられます。そのような状況下で、海外からウイルスが持ち込まれれば大きな流行を起こす可能性もあります。以上の点を鑑みて、日本感染症学会では、2021-2022 年シーズンにおいても、インフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨しています。 インフルエンザシーズンの時期と現行の不活化ワクチン効果の減弱を考慮すると、ワクチン接種は理想的には 10 ⽉末までに行うことが推奨されます。しかしながら、現在我が国の多くの医療機関は、COVID-19 の診療とワクチン接種に忙殺されています。米国 CDC は、効率的にワクチンを接種し接種率を高めるために、インフルエンザワクチンと COVID-19 ワクチンの同時接種も可としており、米国では両者の混合ワクチンの開発も始まっています。一方、わが国では、現時点で、COVID-19 ワクチンとその他のワクチンとは、互いに片方のワクチを受けてから 2 週間後に接種することになります。COVID-19 ワクチンをまだ接種していない⼈には、まずそちらを優先せざるを得ないかと思われますが、並行してインフルエンザワクチンの接種もご検討いただきたいと考えます。両方のワクチン接種のためには、医療機関を複数回受診する必要がありますが、その負担のためにワクチン接種頻度が低下するような事態は避けていただきたいと存じます。COVID-19 の影響により、インフルエンザ流行の時期がずれる可能性もありますが、ワクチンが使用可となる時期が到来すれば、速やかに接種を行うことが望ましいです。ワクチンの供給に関して、厚⽣労働省の発表によりますと、2021-2022 年度ワクチンの供給量は、製造効率の高かった昨年度に比すると 2 割程度減少する予定です。ワクチンを効率的に使用するためにも、昨年同様、13 歳以上は原則 1 回接種となります。 当院ではまだCOVID-19のワクチン接種に忙殺されておりインフルエンザワクチン接種は11月1日より開始いたします。 令和3年10月6日菊池中央病院中川 義久 参考文献1)2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=44

医療関係者のためのワクチンガイドライン2020(その2)―B型肝炎ワクチン

医療関係者のためのワクチンガイドライン2020(その2)―B型肝炎ワクチン  本邦での B 型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus;HBV)感染率は約 1% 程度と推定され、感染者はわが国に 150 万人存在していると考えられています。HBV は環境中で 1 週間以上も感染性を持ち、主に血液による感染や、場合によっては粘液にも分泌され、稀ではありますが経皮的にも感染することがあり、医療従事者等が業務中に感染する可能性のある重要な病原体です。成人が感染した場合には、一部で一過性の急性肝炎を発症するものの、大半は自然治癒します。ただし、急性肝炎を発症した者の 1% 弱は劇症肝炎を発症し、最悪の場合死の転帰をとります。しかも、HBV は一旦感染すると生涯体内から駆除されることなく肝臓内に住み着き、免疫が低下した時に再活性化して重篤な状態になったり突然肝臓がんを発症したりするので HBV は生涯感染しないように注意することが肝要です1)。  今回第3版として改訂された医療関係者のためのワクチンガイドライン2020日本環境感染症学会においてB型肝炎ワクチンの接種のスケジュールなどは以前と同じですが、今回、ワクチン接種歴はありますが、抗体が上昇したかどうかが不明の場合の対処法が図になっています。  このような場合、抗体検査を行い10 mIU/mL 未満の低値の場合は 1 回の追加接種を行い、1~2 ヵ月後に抗体価の確認を行います。10 mIU/mL 以上であれば免疫獲得として終了、10 mIU/mL 未満であればあと 2 回のワクチン接種(=初回と併せると 1シリーズ)後に再度抗体価の確認(1~2 ヵ月後)を行うような指針をたてています2)。 またB 型肝炎ワクチンは現在、2 種類の製品が存在します。遺伝子型 A 由来ワクチン(ヘプタバックス-II、MSD 社製)と遺伝子型 C 由来ワクチン(ビームゲン、KM バイオロジクス社製)です。1 回のシリーズで抗体陽性とならなかった場合は、種類の異なるワクチンを接種することも方法の一つであり、ワクチンを皮内接種することにより抗体陽性率が高くなるという報告があり、一部を皮内接種し、残りを筋注で投与するという試みも一部で行われています。1 回のシリーズは基本的に同一製品で行うことが望ましいですが、2 種類の製品では異なる製品を組み合わせて接種した場合の互換性は確認されており、同一製品が入手できない場合は接種スケジュールの途中でワクチンを変更することも可能と記載されています2)。 1 シリーズのワクチン接種で40 歳未満の医療従事者では約92% 、40歳以上では約 84% で基準以上の抗体価を獲得したと報告され、抗体を獲得した場合、顕性の急性 B 型肝炎の発症は起こさないことが報告されており、その効果は30 年以上にわたって持続すると報告されています。経年による抗体価低下にかかわらずこの効果は持続するため、米国や欧州からは追加のワクチン接種は不要であるとの勧告が出されています。このガイドラインでも同様な方針、つまり1回でも抗体価陽性(10 mIU/mL 以上)が確認されれば以降の抗体価測定は不要であることが記載されています。しかし、英国などは経年後のワクチン追加接種を推進しており、日本肝臓学会評議員らは63%が追加接種を必要と考えています3)。それは抗体価10 mIU/mL未満では肝炎は起こさなくてもB型肝炎ウイルスが体内に侵入してくる可能性があり、それを防止するためには10 mIU/mL 以上の抗体価が必要であると考えているからです。感染症専門医と肝臓専門医の見解の相違ともされています3)。 近年、都会で性感染症を原因とした遺伝子型Aが増加しており、これはより慢性化し易いなどの特徴がありますが、遺伝子型Cで作成されたワクチンで完全に予防できるかという問題はいまだ未解決の問題であり、さらに近年ワクチンエスケープ変異が報告されており、この場合、より高い抗体価が感染防御に必要であることが判明しており4)、B型肝炎ワクチン接種後の抗体価の減衰の問題は今後より詳細な検討が必要と思われます。 令和3年10月1日菊池中央病院 中川 義久 参考文献1)B 型肝炎ワクチン 3 回接種後の抗体確認https://www.nobuokakai.ecnet.jp/nakagawa145.pdf2)医療関係者のためのワクチンガイドライン 環境感染誌 第35巻 Supplement II S1-S4 令和 2年7月27日発行第3版 一般社団法人 日本環境感染学会 ワクチン委員会3)田中 靖人ら:日本肝臓学会評議員を対象とした B 型肝炎ワクチンに関するアンケート調査 . 肝臓 2018 ; 59 ; 259 – 263 .4)山田 典栄ら:首都圏における B 型急性肝炎の変遷:―Genotype A の急増から 10 年を経て . 肝臓 2019 ; 60 ; 139 – 146 .

新型コロナウイルス感染症に伴う嗅覚・味覚障害

新型コロナウイルス感染症に伴う嗅覚・味覚障害  新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の代表的な経過として、感染から約5日間(1~14日間)の潜伏期を経て、感冒様症状(発熱、咳、喀痰、咽頭痛、鼻汁等)、倦怠感、嗅覚・味覚異常などが出現し、これらの症状が1週間程度持続するとされます。一部の患者では嘔吐、下痢などの消化器症状を呈することもあれば、無症候のままで推移する感染者もいます。COVID-19の臨床症状の中で、一般的なウイルス感染症と異なり非常に特徴的なものとして、嗅覚障害・味覚障害が挙げられます。 1)嗅覚障害  新型コロナウイルスによる嗅覚障害の原因として(1)嗅覚受容体(嗅神経細胞)へのウイルスの直接侵入による細胞・組織(2)ウイルス感染によって生じた炎症性サイトカインなどによる細胞・組織障害(3)ウイルス感染部位が周囲組織の細胞死を誘導することによる細胞・組織障害(4)ウイルス感染による血管障害を起因とする細胞・組織障害などが考えられます。 さらに障害部位として1 気導性嗅覚障害2 嗅神経性嗅覚障害3 中枢性嗅覚障害が考えられます。  鼻腔呼吸部粘膜では、新型コロナウイルスが結合するACE2の発現が多く、ウイルス増殖の場となっていても不思議ではなく、COVID-19嗅覚障害患者の一部では鼻閉や鼻汁などの鼻症状を伴っていたことや、画像検査で嗅裂部の腫脹を認めたことはウイルスによる気導性嗅覚障害を疑わせます。しかし、鼻症状がないにも関わらず嗅覚障害があることや鼻症状が改善しても嗅覚障害のみ続くこと、嗅覚障害のある患者の鼻腔CTで嗅裂の異常を必ずしも認めないことなどを考慮すると、気導性嗅覚障害はごく一部で、嗅神経性嗅覚障害が主体ではないかと推測されています。嗅神経細胞にはACE2の発現を認めないとの報告もありますが、動物感染実験では嗅神経上皮にウイルス抗原を認め、感染はありうると推定されています。嗅神経性嗅覚障害の機序として,多くの機序が考えられますが、COVID-19嗅覚障害患者の多くは2週間以内に改善することから嗅神経細胞の広範な変性・脱落は考えにくく、むしろ支持細胞やボウマン腺が障害されることにより、におい分子の嗅覚受容体での受容が妨げられ、嗅覚障害が起こると推定されます。新型コロナウイルスは髄液、嗅球や脳組織でも検出されること、嗅覚障害の経過中に異嗅症が生じうることから、中枢性嗅覚障害が生じていてもおかしくはありません。このように、新型コロナウイルス感染による嗅覚障害にはいくつかの機序が推測されるものの不明な点が多く、今後の検討が待たれるところです1)。 新型コロナウイルス感染による嗅覚障害は比較的早期(2週間以内)に改善することが多いですが、一部の患者では嗅覚障害が数か月以上も持続します。ウイルス感染後嗅覚障害に対する治療で効果が期待できるものとして、“嗅覚トレーニング”があります。嗅覚トレーニングは神経性嗅覚障害に対していろいろなにおいを嗅ぎ、においを嗅ぐ機会を増やす(回数,頻度)ことで嗅覚機能の改善を誘導することが期待されています1)。また、亜鉛内服も有効という報告がありますが治験例数は少ないです2)。その他、ビタミン剤や漢方薬をすすめるむきもあります3)。 2)味覚障害味覚障害もさまざまな原因が組み合わさった結果と考えられますが、以下の機序が推定されています。  風味障害 食事の際に、“味”と表現されるものは、純粋な“味覚”ではなく、さまざまな感覚が統合されて得られる感覚ですが、一般的に“食事の味”の異常は“味覚異常”として認識されます。「甘い、塩辛いなどは分かるが、素材の細やかな味、コーヒー、カレー味などの風味が分からない」と訴える場合は、主に嗅覚障害による風味障害ですが、患者さんは「味が分からない」と訴えます。Deems らは、嗅覚低下586人中433人が味覚低下を訴えたが、実際味覚が低下していたのは4%未満であったと報告しています4)。任らの研究でも4)でも感冒後嗅覚味覚異常を訴えた217例中少なくとも77%は嗅覚障害単独と診断されています。嗅覚と味覚は相互に作用し、脳で統合されるため、自覚的な評価として混合しやすく、また検査上でも影響することがあります。  受容器障害 上述のような風味障害の症状が多く聞かれる中、実際「味噌の風味はするが、塩味がまったくしない」など明らかな味覚の症状を訴える人もあります。味覚障害の障害部位は、受容器と考えられており、嗅覚障害と同様に、発症機序として、ACE2 が、口腔内、特に舌背粘膜に多く存在したという報告がみられます。しかし現時点では、いまだ味覚受容器において ACE2 が SARS―CoV―2 と結合することによってどのような変化が末梢受容器におこるかは解明されていません。  唾液変化 唾液腺にも ACE2が発現し、SARS―CoV―2 が侵入する際のターゲットとなります。新型コロナウイルスは唾液腺の中に多く存在し、唾液の構成が変化することによって、味覚異常が起こるという説もあり、味覚異常の一要因として考えられます。   味覚障害も比較的早期に(2週間以内)に改善することが多く、大半は経過観察されますが、亜鉛などを投与されることもあります。また、上咽頭擦過療法が新型コロナ感染症の諸症状に有効である可能性も報告されており今後の検討が待たれます2)6)。 味覚障害も嗅覚障害も大半が比較的早期に改善していきますが、一部の人は後遺症として長期間苦しむことがあります。日本からの報告で、新型コロナから回復した63人に電話インタビューを行ったところ発症から60日経った後にも、嗅覚障害が19.4%、味覚障害が4.8%あり、さらに発症から120日経った後にも嗅覚障害が9.7%、味覚異常が1.7%続いており6)、患者さんの中には味覚・嗅覚障害による食欲低下で栄養障害や精神的な落ち込みのある人もいて、今後医療上の問題となることが予想されます。今後の調査により本邦におけるコロナウイルス味覚・嗅覚障害の実態が明らかになるとともに、新しい治療手段の構築や創薬に向けて情報が蓄積されることが期待されます。 令和3年9月17日菊池中央病院  中川 義久 参考文献 上羽 瑠美:新型コロナウイルス感染症と嗅覚障害 . 日鼻誌 2021 ; 60 ; 59 – 60 . 平畑 光一:新型コロナ後遺症 . 日本医事新法 2021 ; 5078 ; 18 – 26 . 近藤 健二ら:新型コロナウイルス感染症における嗅覚障害 . 目耳鼻 2021 ; 124 ; 471 . 任 智美:新型コロナウイルス感染症における味覚異常 . 目耳鼻 2021 ; 124 ; 472 忽那 賢志:新型コロナウイルス感染症の基礎知識 . 総合検診 2021 ; 48 ; 8 – 16 . 田中 亜矢樹:慢性上咽頭炎における帯域制限光内視鏡診断と内視鏡下上咽頭擦過療法 . 口腔咽頭科 2018 ; 31 ; 57 – 67 .

医療関係者のためのワクチンガイドライン2020―MMRV

医療関係者のためのワクチンガイドライン2020―MMRV  日本環境感染学会では、医療機関における院内感染対策の一環として行う医療関係者への予防接種について「院内感染対策としてのワクチンガイドライン」を発行しており、2020年に第3版を発表しました。 麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・水痘(MMRV)ワクチンに関しては、1 歳以上で「2 回」の予防接種の記録を勤務・実習前に医療機関に提出することを原則としています。これまで、抗体価の基準を満たすまで接種を受け続けなければならないという間違った解釈が蔓延した抗体価の考え方は、これまで抗体価陰性、抗体価陽性(基準を満たさない)、抗体価陽性(基準を満たす)としていたのを、「あと 2 回の予防接種が必要、あと 1 回の予防接種が必要、今すぐの予防接種は不要」としました。  要約すると、「2 回」の予防接種の記録があればその後の処置は不要でもちろん採血の必要もありません。予防接種の記録が 「1 回」のみの者は、1 回目の接種から少なくとも 4 週間以上あけて 2 回目の予防接種を受けて終了。 既罹患で予防接種を受けていない者は、勤務・実習前に抗体陽性の検査結果を提出することが必要になります。その際の判定表が下記です。  既往歴もワクチン接種歴も不明のものは、少なくとも 4 週間以上あけて「2 回」の予防接種を受け、その記録を提出します。なお医療関係者とは、事務職、医療職、学生を含めて、受診患者と接触する可能性のある常勤、非常勤、派遣、アルバイト、実習生、指導教官、業務として病院に出入りする者等に加えて、救急隊員、処方箋薬局で勤務する者を含むものとすると記載されています。 その人がこれらの感染症に対して免疫があるというのは、抗体価の有無ではなく、確実にその感染症のワクチンを2回接種したということなのです。現代医学においても病原体に対する免疫応答には不明な点があり、後天的に産生された免疫グロブリン、すなわち抗体は液性免疫の主体ではありますが、免疫システム全体からすれば一部にすぎません。もう一つの免疫の主体である細胞性免疫はその評価をする検査システムが存在しないのです。測定出来ないのです。麻疹などでは抗体価と発症予防の免疫能が相関しないことが証明されています。免疫能としては細胞性免疫の方が重要なのです2)。但し、ワクチンで予防可能な疾患(VPD)のうちB型肝炎は抗体価が感染防御の指標として重要な例外的な感染症です。 この4つの疾患での感染既往というのはあまり信頼しないというのが基本で、誤診もありうることより抗体価測定が推奨されています。抗体測定はEIA/ELISA IgGを勧めますが、風疹はHI法でも代用できます2)。 ワクチンを2回接種しても感染する可能性がゼロになるわけではありませんが、集団を対象としたルールとしてはその点は考慮しません。また、現在でも抗体測定を要求する看護学校なども散見されますが現在の知見からすると意義は乏しいです。環境感染症学会のガイドラインを参考にしていただきたいです。 令和3年9月8日菊池中央病院 中川 義久 参考文献 1)医療関係者のためのワクチンガイドライン 環境感染誌 第35巻 Supplement II 令和 2年7月27日発行第3版 一般社団法人 日本環境感染学会 ワクチン委員会2)千葉 大:抗体検査 . プライマリ・ケア 2021 ; 6 ; 31 – 35 .

新型コロナウィルスに職員1名感染

令和3年8月23日(月)新型コロナウィルスに当院職員1名感染  ■ 詳細はこちらをご覧下さい。

高齢者の無菌性髄膜炎は帯状疱疹ウイルス

高齢者の無菌性髄膜炎は帯状疱疹ウイルス  いわゆる無菌性髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐のいわゆる3主徴をみとめ、髄膜刺激徴候が存在し、髄液検査でリンパ球有意な所見で、髄液から細菌を検出しないことで診断がなされる症候群です。多種多様の起因病原体があり、また、成人の場合は膠原病、悪性疾患などの様々な非感染性疾患でも無菌性髄膜炎を起こすことがあります。一般的な臨床の現場においては、無菌性髄膜炎はウイルス性髄膜炎を念頭において診断されます。 通常、無菌性髄膜炎は小児の疾患で、幼小児に多く、80%は8歳以下と報告されています。最も多い原因はエンテロウイルスで、全体の約70~80%程度を占めています。手足口病の起因病原体の一つであるエンテロウイルス71も髄膜炎を起こしやすいウイルスです1)。 その他のウイルスとして、ムンプスウイルスなどがあります。マイコプラズマも二次性の無菌性髄膜炎の原因の一つとして重要で、真菌性、結核性、など多くの原因があります。しかしウイルス性の髄膜炎が多い中で、唯一治療薬があるヘルペスウイルス属の診断は確実に行う必要があります。 成人のみの検討は極めて少ないですが、竹島らの330例の検討2)では一番多い原因はやはりエンテロウイルス属で、次に単純ヘルペス属、3番目は水痘・帯状疱疹ウイルスでした。しかし高齢者に限ると、高齢者では水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によるものが一番多く、とくに三叉神経帯状疱疹に随伴した髄膜炎は50%と頻度が高く、頭のわれるような痛みを訴えると同時に水疱部に一致した神経痛を伴います3)。さらに、⽪疹がなくてもVZV髄膜炎は除外できず、VZV髄膜炎・脳炎で44%は⽪疹が認められないことも報告されており、また帯状疱疹発症から6ヶ⽉以上経過後にVZV髄膜炎を発症した報告例もあり4)、高齢者の無菌性髄膜炎を診断した場合はまずVZV髄膜炎を疑い、髄液のVZV PCR検査を行うべきで、PCRが陰性であればVZV IgM・IgG 検査を追加すべきです。脳脊髄液中の抗VZV-IgG抗体は93%で陽性となる一方リアルタイムPCR法でのVZV―DNAは30%で陽性と低いです。また、髄液中の抗体産生を反映する抗体価指数((脳脊髄液中ウイルス抗体価/血清ウイルス抗体価)/(脳脊髄液中 /IgG/血清IgG))も有用な所見として知られています。診断に際しては脳髄液中のVZV-DNA及びVZV-IgG双方の測定が勧められますが、スクリーニングという観点では、感度に優れたVZV―IgGの測定がより信頼性が高いと考えられます5)。 樋口らのやや古い報告6)ですが、1)帯状疱疹患者の66%に髄膜炎現象がみられ、このうち、髄膜刺激症状を呈したのは30%にすぎなかった。2)髄膜炎現象を伴う症例の罹患部位は脳神経領域に限らず、約半数か脊髄神経領域であった。3)髄膜炎現象は汎発疹の有無や基礎疾患の合併とは相関しなかった。4)髄膜炎現象をみる症例の髄液所見に関し髄液細胞増多は軽度~中等度であり、外観は水様透明、総蛋白は正常~上昇、Clや糖はほぼ正常で、ウイルス性髄膜炎の所見に一致していた。5)髄液細胞増多の程度と汎発疹や髄膜刺激症状の出現頻度とは必ずしも相関しなかった。6)症例の38%が急性期に髄液細胞増多を示した。症例の80%で、髄液細胞数が1~2病週に最高値を示した。7)髄液中VZV CF抗体は急性期には出現せず、回復期には細胞増多群の63%が有意の上昇を示した。中等度以上の細胞増多群では、その出現頻度は88%と高率であった。8)初回検査時の髄液細胞数は抗ヘルペスウイルス剤投与群では非投与群に比して有意の低値を示していた。という記載があります。帯状疱疹は非常に髄膜炎を併発しやすい可能性があり、またその際に頭痛などの症状がないことがあり、見逃す可能性が高いことが想定されます。帯状疱疹の患者さんには半分以上が髄膜炎を併発しているという意見もあります7)。 しかし、帯状疱疹と診断がついていれば抗ヘルペス剤を投薬してあるので大きな問題はないかもしれません。しかし、VZV髄膜炎・脳炎で44%は⽪疹が認められないことも報告されており、高齢者の無菌性髄膜炎と診断した場合は必ず帯状疱疹ウイルスを念頭に置かなければいけません。また、高齢者は腎機能が悪く、その際にアメナメビルで帯状疱疹を治療されることも多いと思われますが、中枢神経の移行が悪く、髄膜炎・中枢神経血管炎を起こす可能性もあり注意が必要です8)。さらに、帯状疱疹で加療中、意識障害が出現した場合VZV髄膜炎・脳炎の可能性もあり、アシクロビルの副作用と考え安易にアシクロビルを中止しないことも必要です9)。 帯状疱疹の重篤な神経合併症として、VZV血管炎に伴う脳梗塞もあります。正確な頻度は不明ですが、小児においては脳梗塞例の約 1/3 がVZV血管炎が原因と言われ、成人においては、帯状疱疹発症後1年間は脳梗塞のリスクが 30%増すという報告や、三叉神経第1枝領域の帯状疱疹の場合、脳梗塞リスクが 4.5 倍となるという報告もあります。病態としては、三叉神経節から再活性化した VZV が、遠位知覚神経繊維を介して内頚動脈やその分枝に達し血管炎を起こすと推定されています。帯状疱疹は日常よく見られる感染症ですが、中枢神経合併症を考慮しながら治療するべきで、また、ワクチンで帯状疱疹の予防をすべき疾患です。 菊池中央院   中川 義久令和3年8月13日 参考文献1 ) 手足口病が流行していますhttps://nobuokakai.ecnet.jp/info/topic/718/2)竹島 慎一ら:成人無菌性髄膜炎の臨床的検討―流行性と起因ウイルスの検討― . 臨床神経学 2014 ; 54 ; 791 – 797 .3)庄司 紘史:頭痛の診断と治療 5.髄膜炎の頭痛 . 日内会誌 1993 ; 82 ; 66 – 69 4)⽔痘帯状疱疹ウイルス髄膜炎・脳炎http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-tokyoiryo-161103.pdf5)徳島 礼実ら:中枢神経ループスとの鑑別を要した水痘帯状疱疹ウイルス血管症の1例 . 日内会誌 2020 ; 109 ; 603 – 610 .6)樋口 由美子:帯状疱疹にみられる髄膜炎現象に関する研究 . 日本皮膚科学会雑誌 1988 ; 98 ; 71 .7)松尾 光馬:ヘルペス性疾患に対する診断と治療 . 耳展 2019 ; 62 ; 134 – 143 8)谷口 葉子ら:三叉神経領域の帯状疱疹をアメナメビルで治療後に帯状疱疹性髄膜脳炎と脳血管炎を合併した1例 .臨床神経 2021 ; 61 ; 239 – 242 .9)嘉山 邦仁ら:胸神経領域の帯状疱疹に脳髄膜炎を併発した1例. ペインクリニック誌 2013 ; 20 ; 107 – 110 .10)吉川 哲史:水痘帯状疱疹ウイルスによる神経感染症:ワクチンの pros and cons . Neuroinfection 2020 ; 25 ; 39 – 43 .

発熱外来でCOVID-19陰性の人は百日咳が多い?

発熱外来でCOVID-19陰性の人は百日咳が多い?  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、多くの医療機関が発熱外来を開設しました。しかし、発熱外来におけるPCR検査陽性率は5~6%程度といわれています。医者はCOVID-19 陰性と判明した時点でほっとして、その他の発熱の原因究明がおろそかになっている可能性はないでしょうか? 松田正氏は、発熱外来を受診した患者の精査を徹底。その結果、発熱外来を受診する患者で最も多いのは百日咳で、咳嗽を呈さない百日咳患者も少なくないことを明らかにし、その成果は、2021年5月に開催された第95回日本感染症学会学術講演会/第69回日本化学療法学会総会合同学会で発表されました1)。 松田氏による調査は、2020年4月1日から12月19日までに同氏の診療所の発熱外来を受診した144人を対象に行われました。松田氏は、溶血性レンサ球菌感染症やアデノウイルス感染症、ヘルパンギーナ、手足口病などと診療時間内に確定診断できた症例を除き、COVID-19患者の見逃しを防ぐため、ほぼ全ての発熱外来受診者に血液検査(リンパ球数やフェリチン、Dダイマーなど)を実施し、研究目的で百日咳の抗体検査も一緒に行われました。その結果、COVID-19を強く疑いPCR検査を実施した症例は59人で、うち5人(8.5%)が陽性でした。一方、抗体検査で百日咳と確定した患者は53人と、発熱外来受診者の36.8%を占めていました。ちなみに、百日咳の診断には百日咳抗体IgMと百日咳抗体IgAを用い、発症早期であることから、どちらかが8.5 NTU以上を確定としました。加えて、確定はできないが臨床的に百日咳を強く疑ったのは24人で、それらを併せると全体の53.4%が百日咳(確定+疑い)だったと報告しました。この結果からCOVID-19感染対策が徹底され、多くの感染症が制御できていた時期でも百日咳患者が多く存在することは、その感染力の強さや、百日咳が日常に多く存在する感染症であると考察しています1)。 ここで百日咳の診断について確認してみましょう。  図に示す如く、百日咳の診断は、まず発症後3週間以内であれば抗原検索が考えられます。培養法か、PCR、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification法:百日咳菌遺伝子の核酸増幅法)法で行いますが、通常はLAMP法で行われます。近年の報告では菌が多い発症 14日までが検出限界で、検査感度が34%であったというデータもあり2)あまり過大の期待をしない方が良いかもしれません。3週間を過ぎると、百日咳菌の菌量が低下するために血清診断がされます。百日咳抗体 IgA、IgMを採血で検査します。IgMは発症後 1 5 日後にピークになりI g Aは2 1日後にピークになるといわれています。どちらか一方のみ測定可能です。しかし、近年、I g M抗体は健常な子供でも陽性率が高く、30%が陽性であったという報告もあり、またI g A 抗体は中高年で陽性率が高く、また小児ではIgA抗体が陽性になりにくいとの指摘もあり、この2つの検査法もいくつかの問題点があることが分かってきました3)。また従来から言われているようにPT-IgG は100 倍以上の陽性でない限りペア血清での判定が必要であり、またワクチン接種の影響も受けることより実際の診療ではほとんど使用されていません3) 。 さて、2021年6月16日、百日咳を約15分で診断できる抗原検査キット「リボテスト 百日咳」の販売が開始され、保険収載もされました。これはインフルエンザキットと同様に鼻咽頭拭い液をキット上に滴下して判定する簡便なものです。 今回、登場した抗原検査キットは、PCR法と比較して感度85%以上、特異度95%以上の相関データを示し4)、約15分で結果を得られます。そのため、診察室ですぐに結果が得られるので、今後、広く使用されると考えられます。 百日ワクチンの効果は流行暴露によるブースター効果がなければ 10年程度と考えられており5)、我が国のワクチンプログラムでは思春期にはもう効果が薄れている可能性があります。日本では、2018 年 1 月より百日咳は感染症法 5 類全数把握疾患となり、全年齢層での患者発生実態が明らかになりつつあります。現在、年間 11,946 例の患者発生報告があり、7 歳がピークで、5–15 歳が 64%を占めましたが、30–50 歳も 16%報告されており、成人の百日咳も決してまれではないことを示しています6)。 発熱外来受診者の半分が百日咳が原因というのはやや多すぎる気もしますが、新型コロナPCRが陰性であった場合に、そこでほっとして普通の風邪と簡単にかたづけずに、慎重に原因検察をする必要はあるでしょう。 令和3年7月30日菊池中央病院 中川 義久 参考文献 1)発熱外来の受診患者、最も多いのは百日咳!咳嗽を呈さず感冒症状の百日咳患者もhttps://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t335/202107/571043.html?n_cid=nbpnmo_mled2)野口博生ら:秋田県農村における小児百日咳の地域的流 . 日農医誌 2 0 1 9 ; 6 8 ; 1 5 5 – 163 .3)百日咳は新しい検査法でも診断が難しい

誤嚥性肺炎の原因が舌苔にある

誤嚥性肺炎の原因が舌苔にある  肺炎は社会の高齢化を反映してその死亡者数は徐々に増加し、2011 年に初めて本邦の死亡原因の第 3位となりました。肺炎による死亡者の 95% 以上が 65 歳以上の高齢者で、入院を要する肺炎患者のうち、60 歳代では約 50% が誤嚥性肺炎で、さらに、年代が上昇するごとにその割合は上昇すると報告されています。高齢者肺炎や誤嚥性肺炎の治療は現在でも重要な課題となっております。肺炎の治療の第一歩として、原因菌の把握は抗菌薬の選択の面から重要です。しかし、培養や血清診断、抗原検索といった従来の原因菌検索は必ずしも十分に満足のいくものではありませんでした。2011 年の本邦からの報告では、呼吸器専門医が所属する病院で原因菌が判明したのは 47.2%で、半数以上の症例で原因菌を把握することができませんでした1)。 近年、感染症の原因菌検索においても分子生物学的手法が用いられるようになり、従来の培養法に比べてより高い検出率を示すことが報告されています。特にヒトには存在せず、細菌のみが保有する 16S ribosomalRNA(rRNA)遺伝子が注目されており、これを直接解析することで培養に依存せずに原因菌を検索することが可能となったのです2)。16S rRNAは原核生物(細菌および古細菌)に特有の遺伝子で、塩基配列のデータベースが充実していることや適度な進化速度であるため、塩基配列の変化が少ないことが細菌の菌種同定に好都合で、この方法により検体内に存在する細菌の種類とその割合を把握することが可能となり、この方法を網羅的細菌叢解析法と呼ばれるようになりました。本法の最大の利点は培養に依存しない方法であるため、培養に関連したさまざまな問題が生じないことです。また、結核菌などの特定の病原体を検出するターゲットPCRと比較して、本法では細菌のみが保有する 16S rRNA遺伝子の保存領域(菌種に係らず共通の塩基配列が保存されている領域)にプライマーを設定しているために、網羅的な細菌のDNAの検出が可能となり、そのために特定の菌種を前もって予測する必要性がありません。欠点としては 100 クローン弱の解析のため、1% 未満の少ない割合の細菌の検出は困難です。他に、検査行程に手間や時間(3 日間),費用がかかること、抗菌薬の感受性試験ができないことなどが難点とされています2)。この検査法はまだ一般臨床では使用できませんが、様々な感染症の原因診断の研究に用いられるようになりました。 2000年代の誤嚥性肺炎の起炎微生物の検討では、これは喀痰培養による検討ですが、一位が嫌気性菌で、以下肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌の順でした。そしてこれまで2位以下の起炎菌の順番が多少の入れ替わりはあっても、嫌気性菌が一番重要であることは変わりありませんでした3)。しかし迎らは、誤嚥性肺炎患者の気管支肺胞洗浄液の網羅的細菌叢解析法を用いて原因菌検索を行いました4)。細菌培養法と違い全例で原因菌が判明しました。それによると一番多かった原因菌は口腔内連鎖球菌で23.2%で、従来から一番多いとされてきた嫌気性菌は10%にとどまり、以下黄色ブドウ球菌7.3% 、緑膿菌9.8% でした。誤嚥性肺炎において、嫌気性菌の関与は従来考えられていたよりも少ない可能性があり、特に,高齢者の呼吸器感染症では嫌気性菌より口腔内連鎖球菌などの口腔内常在菌が重要である可能性があると報告しました4)。 誤嚥性肺炎は口腔内の細菌が色々な理由で気管から肺内に流入することで起こるため、口腔内の清浄化が重要で、口腔内を清掃することで誤嚥性肺炎の予防につながることが明らかとなっています5)。 舌苔は舌背の中央から舌根部にかけて堆積する微生物や食物残渣、剥離上皮などからなる膜状の凝集塊であり、年齢やう蝕,歯周疾患の状態に関わらず観察されます。舌苔は細菌の母床であり、舌苔中の細菌が唾液中の大半を占めるとされています5)。また舌苔を除去するとデンタルプラークの形成が抑制されたとの報告もあり、舌苔は口腔内細菌の貯蔵庫的な意味合いもあり、誤嚥性肺炎を考える場合には歯周炎の予防とともに舌苔のコントロールも重要と考えられます。 令和3年7月13日菊池中央病院   中川義久 参考文献1)迎 寛:肺炎診療:細菌叢解析でわかった新たな知見~呼吸器感染症における嫌気性菌の役割 . 日本化学療法学会誌  2016 ; 64 ; 647 – 651 .2)迎 寛:網羅的細菌叢解析法による呼吸器感染症診断 . 日内会誌 2013 ; 102 ; 2875 – 2881 .3)河合 伸:誤嚥性肺炎の予防と治療 . 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 2008 ; 18 ; 209 – 212 .4)迎 寛:呼吸器感染症における口腔内レンサ球菌と嫌気性菌の役割 . 日内会誌 2016 ; 105 ; 1796 – 1802 . 5)野口 貴雄ら:一般地域住民における口腔内環境と口腔細菌叢に関する研究 . 弘前医学 2020 ; 71 ; 46 – 54 . 

セレンとCOVID-19

セレンとCOVID-19  COVID-19のパンデミックに伴い、やはり栄養が大切であると改めて見直されており、研究報告が散見されるようになりました。スペイン風邪が流行したときに栄養不良の方が多く亡くなられたというデータがある反面、COVID-19では肥満、特にサルコペニア肥満の方は予後がよくないというデータは早くから報告されていました。この原因として、エネルギーや三大栄養素だけでなくビタミンや微量元素も大切であるということが認識され報告されつつあります。 栄養素とは,(1)炭水化物,タンパク質,脂肪などエネルギー源や体構成物の材料となる物質,(2)ビタミン,無機塩類(ミネラル)などで前者にくらべて必要量ははるかに少ないが生命の維持に不可欠な役割をはたす物質に大別され、このうち炭水化物,タンパク質,脂肪はもっとも多量に要求される高分子で,三大栄養素と呼ばれます。栄養素とはその他多く存在し、全部で35種類あり、そのうち20種類が免疫機能に関係してくるといわれています。以下列挙すると、エネルギー、タンパク質、n3系脂肪酸、食物繊維、ビタミンA, B1,B2,B6,B12,C,D,E,葉酸、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、セレン、亜鉛、銅、鉄、乳酸菌です。このなかである栄養素が一つ欠乏すると複雑な免疫機能が障害され、バランスが崩れて免疫能が低下することになってしまいます。それを考えると、いかにバランスの良い食事を摂る必要があるかが認識されます1)。 COVID-19と最も関連がある栄養素としてはビタミンDの論文が多く報告されています2)。次に報告が多いのが亜鉛欠乏です3)。さらに最近注目されているのがセレンです。  セレンは、すべての生物の機能に必要な必須微量元素です。人体に必要なセレンの主な供給源は、植物や動物由来の食事であり、これは土壌中のセレン含有量や土壌中のセレンの作物へのバイオアベイラビリティに大きく依存します。世界的に見て、セレン欠乏症は5億人から 10億人に影響すると考えられており、中国、ニュージーランド、ヨーロッパの一部では欠乏症が蔓延しています4)。セレンは、細胞内の酸化還元バランスの維持に重要な役割を果たしており、その抗酸化作用と抗炎症作用は、免疫において重要な働きをしています。したがって、セレンはウイルス感染症において意義があり、コロナウイルス感染症2019(COVID-19)をサポートする上で重要な役割を果たすと考えられています4)。  図は、中国の論文で、湖北省外の都市におけるセレン蓄積の状態(髪のセレン含有量:横軸)とCOVID-19治癒率(縦軸)が有意に相関していた(R2= 0.72, F test p< 0.0001)事を示しています。セレンが充分に体内にあると死亡率が低かった、というデータです。さらに、HIV、インフルエンザ、エボラ出血熱などの感染性ウイルス疾患は、土壌中のセレンが不足している地域で進化し、蔓延する可能性が高いという報告もあります4)。これは、セレンの欠乏が、ウイルスの変異、複製、およびRNAウイルスのより病原性の高い形態の出現を促進するためと考えられています。 COVID-19における肺の酸化的損傷の高いリスクは、肺のセレンおよびセレンタンパク質によって部分的に打ち消され、多くの研究者がセレンの補給によってこの疾患の影響を軽減できるかどうかを研究しています。 セレンの主な摂取源は、ブラジル産のナッツ類、種子類、キノコ類、魚類、セレン酵母、魚介類、牛肉、鶏肉その他多くの食物に存在しています。食事中、セレンの大部分はセレノメチオニン、セレノシステイン、亜セレン酸およびセレン酸の形で存在し、これらはいずれも優れたバイオアベイラビリティを持ち、調節なしでよく吸収されます6)。日本では通常の食事を摂っていれば不足することはないと思われます。アメリカでは35%以上の人がセレンを含むマルチビタミン・ミネラルを取っているそうです。ある研究ではセレンが糖代謝を高めて合併症から体を守るとされているからだそうです。ところが正反対の結果が発表され、なんと、長期間にわたるセレンのサプリメント(1日200マイクログラム)摂取が、2型糖尿病の発症リスクを高めたというのです。糖尿病の予防どころか、むしろ危険なものだったのです7)。微量元素は特に過剰摂取で副作用がでるものが多く、サプリメントの服用には注意が必要です。 全ての栄養素や微量元素に言えることは、バランスのとれた食事を心がけるということです。 令和3年7月2日菊池中央病院   中川義久 参考文献1)児玉 浩子ら:健康の維持・増進に重要な栄養・微量ミネラル. 日本医師会雑誌 2021 ; 150 ; 421 – 430 .2)ビタミンDが不足すると新型コロナウイルス感染症が重症になる http://www.nobuokakai.ecnet.jp/nakagawa240.pdf3)新型コロナウイルス感染症と亜鉛https://nobuokakai.ecnet.jp/info/topic/1752/4)A Mechanistic Link Between Selenium and Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8033553/5)Zhang J, et al. Association between regional selenium status and reported outcome of COVID-19 cases in China. Am J Clin Nutr 2020; 00: 1-3, May 19, 2020. doi: 10.1093/ajcn/nqaa095/5826147.6)浅桐 公男:セレン欠乏症の診療指針2018のポイント . 日本医師会雑誌 2021 ; 150 ; 439 – 4443 .7)セレン(セレニウム)のサプリにご用心!https://allabout.co.jp/gm/gc/300546/

新型コロナウイルス感染症と亜鉛

新型コロナウイルス感染症と亜鉛  新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染を原因とするCOVID-19が、パンデミック(世界的大流行)となっています。日本ではいわゆる第4波の流行が発生し、4都府県では3回目の緊急事態宣言が発令されています。COVID-19対策として① 原因ウイルス(SARS-CoV-2)への接触機会を減らす。② 私たちの身体の抵抗力を高める。という2つが大切です。 ①に関しては従来より続けてきた3密対策や、飲食店の自粛などが実践されています。②に関しては現在急いで接種が急がれているワクチンが有効であることは言うまでもありません。しかし、現在のワクチン接種が、今後も出現するであろうすべての変異ウイルスに有効であるかはまだわかっていませんし、若年者までワクチン接種がいきわたるまでかなりの時間を必要とするであろうし、また、ワクチンを接種しない人も当然でてくるでしょう。 そこで、ワクチン以外でもヒトの側でのウイルス感染への抵抗性を高める対策も大切でしょう。具体的には、適切な食事・運動・睡眠で、免疫能を整えることです1)。 日本では、COVID-19対策として、医薬品やワクチン製造には取り組んでいますが、栄養食品やサプリメントの有用性に関する研究はあまりなされていません。しかし、諸外国では、機能性食品成分に関する感染防御の検討がなされており、一定の有用性が示されています。特にビタミンや微量元素の感染防御効果が確かめられつつあります2)。現在、最も明らかなエビデンスがあるのはビタミンDです3)。ビタミンDの投与で感染予防効果や重症化抑制効果が認められています。同様に注目されているのが微量元素の亜鉛です4)。亜鉛は必須微量元素のひとつで、感染症領域では免疫関係に大きく関与することが解ってきました。亜鉛が欠乏すると、免疫機能が低下します。そしてその免疫不全の特徴は胸腺の萎縮とそれに伴う細胞性免疫の機能低下です。その他にも樹状細胞の活性低下、その他多くの免疫機能に障害が及んできます。つまり感染症に罹りやすくなります5)。実際、亜鉛欠乏では、風邪の原因ウイルス、単純ヘルペスウイルス、C型肝炎ウイルス、HIVウイルスなどのさまざまなウイルスの感染リスクが高まることが示されています。 また、亜鉛はコロナウイルスの複製を阻害します4)。コロナウイルスは、RNAウイルスに分類されます。RNAウイルスに対して、亜鉛は、RNAウイルスを複製する酵素であるRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)を阻害することで、ウイルスの複製を防ぐ働きがあります4)。 また、亜鉛サプリメントによる風邪や肺炎の感染予防や症状改善効果が示されています。これまでの亜鉛を投与した研究に関する系統的レビュー/メタ解析によると、  - 成人における風邪の罹病期間が33%短縮、  - 小児5,193 人では肺炎の罹患率が13%低下、  - 成人2,216 人での重度の肺炎の死亡率が低下といった亜鉛の効果が見出されました4)。 さて、肥満や糖尿病、高齢者などは、COVID-19の高リスク群です。これらの人々では、亜鉛が低値であることがわかっています。またこれらの疾患で服用される薬剤で亜鉛が低下することもわかっています。 降圧利尿剤、ACE阻害剤、ARBなどの高血圧治療薬、スタチン剤などです。実際、亜鉛不足はCOVID-19 感染の予後が悪くなること、重症化することなどが報告されています4)。 COVID-19感染に対する亜鉛投与の有効性はどうでしょうか? 亜鉛の単独投与では細胞内の濃度を上昇させるのが難しく、亜鉛イオノフォアの併用投与が必要ですが、米国では、亜鉛+イオノフォアの投与により、COVID-19患者の院内死亡率が24%低下したという報告もあります4)。ただ、亜鉛の単独投与ではもちろん死亡率改善効果はなく、他の薬剤との併用投与で効果が認められていました。現在、亜鉛単独投与ではなく、ビタミンCやビタミンDとの併用投与によるランダム化比較試験が進行中です。 亜鉛サプリメントは、適切な摂取量であれば、高い安全性が示されています。免疫能の維持など保健機能のための一般的な亜鉛サプリメントの摂取目安量は、1日あたり10mg~20mg前後です。症状の改善を目的とした場合、予防よりも多い量を数日間、摂取します。例えば、風邪に対する亜鉛の有用性を検証した臨床試験では、亜鉛を1日あたり80mgの用量で、数日間の投与が行われています4)。 本邦でも、亜鉛の摂取不足が示されており、特に、COVID-19の高リスク群である肥満や糖尿病などの生活習慣病有病者で顕著です。さらに、亜鉛の免疫調節作用や抗ウイルス作用は確立しており、積極的に摂取する必要があり、サプリメントの服用も考えるべきです。ただ、亜鉛を摂取しすぎると銅が低下しますので注意する必要があります。 菊池中央病院  中川 義久令和3年6月21日 参考文献 1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と栄養・睡眠・運動https://nobuokakai.ecnet.jp/info/topic/532/ 2)東口 髙志ら:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療と予防に関する栄養学的提言 . 日本臨床栄養代謝学会 2020 ; 2 ; 84 – 94 . 3)ビタミン D が不⾜すると新型コロナウイルス感染症が重症になる 4)蒲原 聖可:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防および治療に関する亜鉛の臨床エビデンス . 医と食 2021 ; 13 ; 51 – 59 . 5)亜鉛と感染症https://www.nobuokakai.ecnet.jp/nakagawa146.pdf

歯周病がアルツハイマー型認知症の原因になる

歯周病がアルツハイマー型認知症の原因になる  アルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」はアルツハイマー型認知症の症状の進行を抑えることを目的とした薬で、脳にたまった「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質を取り除き、神経細胞が壊れるのを防ぐとしています。FDAは、6月7日効果が合理的に予測されると評価し治療薬として承認しました。しかし、その薬価の高さなどから一般に使用されるのにはかなり時間がかかることが予想されます。 アルツハイマー型認知症は、すべての認知症のうち、約67%を占める疾患です。多くの場合、物忘れがきっかけで気づかれ、症状としては記憶障害や見当識障害、言語障害、視空間認知障害などがあります。今後世界的に平均寿命が延びるにつれて,アルツハイマー病の罹患者は2050 年までに現在の3 倍に増加すると予想されています。 アルツハイマー型認知症の原因はアミロイドベータ(Aβ)をはじめタウ蛋白などの異常なタンパク質が脳に蓄積してしまうことがアルツハイマー型認知症になってしまう原因です。その結果、神経細胞が死んでしまい、脳が萎縮することで、認知機能が低下してしまいます。アミロイドベータが脳に蓄積してしまう直接的な原因については長年にわたって不明とされていました。しかし、近年の研究により、アルツハイマー病患者の脳内において、単球や脳マクロファージ細胞であるミクログリアが活性化していることから、アルツハイマー病は慢性の炎症性疾患であることが判明しています。また、アルツハイマー病患者の脳内から歯周病菌であるジンジバリス菌(Pg菌)のリポ多糖(LPS)が検出され、そのLPS によってミクログリアが活性化し、脳炎症を引き起こすことがわかってきました。さらに この活性化されたミクログリアにより Aβ の産生・蓄積および認知機能障害を引き起こすことが報告されてきました。また、健常者と比較して、アルツハイマー病患者では歯周病原細菌に対する抗体価が有意に増加していることが確認され、アルツハイマー病の原因として歯周病菌が大きく注目されてきました1)。 2017年に九州大学と北京理工大学(中国)の研究チームは3週間をかけてマウスの腹部に歯周病菌を投与し、感染させたうえで「正常なマウス」と「歯周病菌を投与したマウス」に分けました。比較すると、歯周病菌に感染したマウスはAβを脳内に運ぶ「受容体」というタンパク質が約2倍に増加し、脳細胞のAβ蓄積量は約10倍になったことが判明しました。また、Aβが蓄積したマウスは認知症を発症したのです。さらに、アルツハイマー病モデルマウスの口腔内に直接 Pg菌を投与し、実験的歯周炎を惹起すると、Pg菌投与群の認知機能が非投与群と比較して著しく低下したことも報告されました。この研究者らは口腔内より腸内に侵入した Pg菌の影響により、腸内から血液を介して脳内に LPS が流入し、アルツハイマー病の病態に影響を与えたと考えました2)。腸内細菌が脳内の炎症やアルツハイマー病に影響を与えているとの報告はこれまでにもいくつかあり、腸内を無菌化すると細菌叢のある群と比較して、脳への Aβ の沈着量が有意に減少したという報告もあり、腸内細菌により生成されたアミロイドは血液脳関門を通過できるといった報告もあります。 歯周病菌と脳へのAβ沈着を促進させる受容体の正体も解ってきました。カテプシンBという酵素で、Pg菌が入ってくると過剰に増えて、脳内の炎症やAβ の沈着量が増加することがわかっています3)。また、カテプシンB欠損マウスでは記憶低下などのアルツハイマーの症状がおきないことも証明されています。カテプシンBを阻害する薬が作れればアルツハイマーの予防の薬となるかもしれません。 現在、脳内の炎症を抑える可能性のある物質がいくつか候補としてあがっています。ミツバチが作るプロポリスや、キノコの1種の冬虫夏草などです3)。しかし、まだ研究中の段階であり、現在は日常的な歯磨きや歯科検診が重要であることは言うまでもありません。 令和3年6月11日菊池中央病院   中川 義久 参考文献 1)石田 直之ら:歯周病はアルツハイマー病を悪化させる . 日歯周誌 2018 ;  60 ; 147 – 152 .2)世界初ヒト歯周病の歯茎で脳内老人斑成分が産生されていることが判明〜歯周病によるアルツハイマー型認知症への関与解明の新展開〜https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/3963)武 洲:歯周病菌による全身炎症で認知症に. 全国保険医新聞 2021 ; 2856 ; 10 .

子供にコロナワクチンは必要か?

子供にコロナワクチンは必要か? 高齢者のコロナワクチン接種が開始され、その予約が大変であることが連日報道されている一方、ファイザーのワクチンの接種の対象年齢について、厚生労働大臣は、早ければ今月末にも12歳以上への引き下げが認められるとの見通しを示しました(5月28日)。ファイザーのワクチンは、接種の対象年齢が、日本では16歳以上となっている一方、アメリカなどでは、12歳以上となっています。ちなみにモデルナとアストラゼネカのワクチンは18歳以上が適応でそれ以下の年齢はデータがなく接種不可の状態です。 しかし、かかっても軽症と言われる子供にワクチンを接種する必要があるのでしょうか?新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は健康な子どもにとって深刻な病気ではなく,多くの場合,無症状か軽症です。また、そもそも子供はかかりにくいことがわかっています。 https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200620-00184081/ より参照 この図は年齢ごとの感受性(感染者との接触による感染確率)の違いを見たものです。年齢が低いほど感受性が低く、年齢が高くなるに従って感染しやすくなります。60歳くらいからはプラトーに達します。  2020年12月20日の時点で国内における10歳未満の感染者数は4000人超、10代で1万人超であり、死亡例の報告はありません。小児における代表的な呼吸器感染症との比較において、5歳未満の小児ではCOVID-19肺炎の推定致命率は0.15~1.35%で、RSウイルス肺炎の0.3~2.1%より低く、インフルエンザ肺炎の0.14~0.45%よりやや高い程度と考えられています1)。 https://www.covid19-yamanaka.com/cont1/main.html より参照 中国でのデータですが、10歳以下の感染者は少なく、死亡者もいません。60歳以上で致死率が急上昇しています。 子供がCOVID-19にかかっても重症化しない理由については諸説が提示されていますが、小児にはウイルスのレセプターであるACE2受容体が気道上皮に少ないということと、子供は免疫応答である自然免疫反応が優れているということ、リンパ球のT細胞が活発に行動していること2)、などがあげられています。したがって、健康な子どもにとって軽症で済むCOVID-19のワクチンのメリットはそれほどありません。 さてCOVID-19のワクチン接種の目的は次の3つにあると思われます。このワクチンの主な目的は、1.自分が感染・発症しないため。2.感染しても軽症で済ませるため。3.まわりの人にうつさないため。 子供の感染はまわりの人にうつすことが多いのでしょうか?これに関しては諸説がありますが、2019年12月1日から2020年5月28日に発表された感染伝播についての14論文を比較した研究(レビュー)によりますと、子どもの感染者の15%から60%が無症状であり、75%から100%が家庭内で家族から感染させられ、学校は主な感染源にはならなかったと分析されています3)。また子どもによる感染伝播に関する33論文を比較したものや学校での感染に関する論文を比較した研究がありますが、どちらも子どもや学生の陽性率が低いと結論しています。つまり、子どもは学校でも感染しないし、感染も広げないようです3)。 COVID-19において学校・学級閉鎖の効果はあまりないことが多く報告されています1)。インフルエンザワクチンとは異なり,子どもたちに広く接種しても,感染拡大防止効果は限定的だと思われます。もちろん,数多くの子どもたちが感染すれば,中には重症化する場合もあるでしょう。子どもへのワクチン接種が社会の中での感染拡大を防止する効果もゼロではありません。しかし,稀な重症化を防ぐためのワクチンが,重大な副作用を稀ならず起こしてしまうのであれば有害なものとみなされます。ワクチンの治験が何万人もの規模で行われても,稀な副作用を検出することは困難です。新しいタイプ(mRNA)のワクチンでもあり,成人で広く接種されて重篤な副作用がきわめて稀であることが確認されるまでは,少なくとも健康な幼少児への接種を急ぐべきではないと森内氏4)は述べています。 令和3年6月1日菊池中央病院  中川 義久 参考文献 1)宮入 烈:小児におけるCOVID-19の臨床像. 日本医師会雑誌 2021 ; 150 ; 236 – 237 .2)免疫老化と新型コロナ感染症( COVID-19 )3)新型コロナ:子どもが「感染させにくい」のは本当か https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20210118-00218157/4)森内 浩幸:子供に新型コロナワクチンは必要か?日本医事新法 2021 ; 5057 ; 50 – 51 .

新型コロナワクチン、正しい筋肉注射を

新型コロナワクチン、正しい筋肉注射を  高齢者への新型コロナワクチンの接種が始まりました。予約が大変そうですが無事に多くの人が接種を終了することが望まれます さて、近年、内服薬や点滴薬の進歩によりあまり筋肉注射をしなくなりましたので、改めて筋肉注射の手技を学びなおす必要があります。 日本医師会のホームページに推奨される筋肉注射の方法が記載されています1)。それによると、●注射部位は三角筋の肩峰より2~3横指下中央の位置です。●三角筋をつままず、広げて圧迫固定します。皮下組織が手繰られて厚くなりますと針先が三角筋に届かなくなります。● 注射針を皮膚に対して斜めに刺入している報道が見受けられますが、注射針は必ず直角に刺入してください。●刺入れの深さは体型により13 ㎜~20 ㎜が目安です。● シリンジ陰圧確認を行わないことで、筋肉組織損傷による免疫獲得減弱を回避します。● 神経損傷を避けるため、刺入時に異常の訴えが無いことを確認した後にワクチンを三角筋に注入します。● 抜針後は軽く圧迫するだけで大丈夫です。揉まないでください。 と記載されています。 一方、肩峰から 4cm までの高さには三角筋下滑液包があり、また腋窩神経等も存在するため、それより下方の腋窩ひだの上縁の高さのほうが望ましいという意見もあります 。奈良県立医大の筋肉注射マニュアルに詳細な絵と注射方法が記載されています2)。腋窩神経は肩峰より5cm の部位、これが約3横指にあたるらしいですが、腕に巻きつくように走行しており、腋窩神経の損傷で、図に示す部位に感覚障害と、長期にわたる筋萎縮を生じてしまいます。 https://www.konta-chiryouin.com/ekikashinnkei02.html  より参照  また、肩峰より平均約4cmまでの⾼さには,三⾓筋下滑液包が三⾓筋の裏に存在し、ワクチンの誤注⼊によるSIRVA(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration)が海外で多数報告されており、穿刺を避ける必要があります2)。三角筋下滑液包炎をおこすと肩の動きが障害され、強い痛みが生じるとされています。 コミナテイワクチンに含まれる mRNA はおもに筋肉細胞内でタンパク質に翻訳されるため、筋肉内に確実に到達するよう針の長さには注意が必要です。体格によっては筋肉の厚さが薄く、長すぎる針の場合は骨膜損傷や三角筋下滑液包炎を起こすおそれがあります。標準的には 22~25G、長さ 25mm の注射針で、皮膚面に 90 度の角度で注射します。針の長さは、日本人の体格では 16mm でも接種が可能な者も多く、体重 70kg 以上では 32~38mm のものも使用できます。上腕三角筋に接種できない場合(皮膚疾患、筋肉萎縮等で)、下腿の外側広筋(大腿部の外側の筋肉)に注射することが勧められています3)。 文献2)に優れた図が記載されているので一度参照されることを勧めます。 菊池中央病院  中川 義久令和3年5月17日 参考文献 1)日本医師会新型コロナワクチン速報【第5 号】2)筋肉注射手技マニュアルhttps://www.nmu-resident.jp/info/files/intramuscular17.pdf3)COVID-19 ワクチンの普及と開発に関する提言 修正第 4 版 2021 年 4 月 23 日診療ガイドライン検討委員会 COVID-19 expert opinion working group 南学 正臣 (委員長)https://www.jmsf.or.jp/uploads/media/2021/04/20210426063706.pdf

新型コロナの合併症-小児多系統炎症性症候群(MIS-C)-

新型コロナの合併症ー小児多系統炎症性症候群( MIS-C )ー  2020年5月にコロナ感染歴のある子どもに川崎病の症状がみられることが欧米で相次いで報告されました。新型コロナウイルスは血管親和性が強く、全身の微小血栓形成、下肢血栓からの肺塞栓症による急死、心筋梗塞・心筋炎による急変なども相次いで報告されました1)。そののちにこの疾患は、川崎病とはやや病状が異なり、新たな疾患としてMultisystem Inflammatory Syndrome in Children ( MIS-C ; 小児多系統炎症性症候群 )と命名されました2)。川崎病とMIS-Cは、長引く発熱、皮膚の発疹、リンパ節腫脹、下痢、炎症性バイオマーカーの上昇など、いくつかの共通の症状を持っていますが、MIS-Cは10代と発症年齢が高いこと、腹部症状が多いこと、左室収縮機能障害や急性心不全を伴う症例が多いことなどの特徴があります3)。  欧米では少しづつその臨床像が明らかになりつつあります。 2020年3月の米国での186人のMIS-Cの調査では2)、MIS-C が発症する前にCovid-19 の症状を認めていた患者のうち、Covid-19 の症状が発症してからMIS-Cの症状が発症するまでの期間は平均25日間(6-51日)でした。患者の年齢は平均8.3歳(3.3-12.5歳)であり、62%が男性、73%は生来健康でした。好発人種は明らかではありませんでした。MIS-Cの症状は、78%に5日以上の発熱、90%に4日以上の発熱を認めました。71%は少なくとも4つの臓器障害を伴っており、最も障害が認められた臓器系は、消化器系92%、心血管系80%、血液系76%、粘膜・皮膚系74%、そして呼吸器系70%でした。80%はICUで治療を受け、20%は侵襲的人工呼吸管理を受けていました。70%は生存して退院しました。2%が死亡しました(その他はまだ入院中)。死亡した4人の患者は10~16歳で、うち2人は基礎疾患を有しており、3人はECMO管理を受けていました。成人のCovid-19 の患者の合併症は特に呼吸器に多く見られますが、MIS-Cでは特に消化器に多く認められる傾向にありました。  検査所見はほとんどの患者(92%)で炎症を示す4つ以上の臨床検査の異常値を示しました。赤沈亢進またはCRP上昇、リンパ球減少症、好中球増加、フェリチン増加、アルブミン低下、ALT上昇、貧血、血小板減少、およびDダイマー上昇、PT-INR延長、またはフィブリノーゲン上昇などです。心血管病変は一般的で80%に認め、48%が昇圧薬による支持療法を受けていました。大多数の患者ではBNPが上昇しており73%、50%でトロポニンが上昇していました。心臓超音波検査を受けた患者の9%に冠動脈瘤が認められました。  患者の大部分が免疫調節薬による治療を受けており、その中でも最も多いのは免疫グロブリン静脈内投与77%とグルココルチコイドの全身投与49%でした。退院した患者のほとんどは生存していたことより有効であったと考えられています。過剰炎症状態を示唆する臨床および検査所見、SARS-CoV-2感染に関連した発症時期、そして成人Covid-19患者の疾患パターンとの類似性を考慮すると、MIS-CはSARS-CoV-2感染によって引き起こされた免疫介在性傷害の結果であると推測されています。本質的な問題は、なぜこの年齢層でMIS-Cが発症し、他の年齢層では発症しないのかということですが、MIS-C発症の年齢特異的な違いは、SARS-CoV-2感染曝露の感受性の違いやSARS-CoV-2が細胞侵入のために利用する受容体であるACE2の鼻腔内発現の違いで説明できるのではないかと考察しています2)。  本邦ににおいてもMIC-Sと診断された患者が報告されつつあります。成人で肺炎が悪化し重症化することが多いのとは異なり、MIS-Cでは下痢、発熱、発疹などが見られ、心機能が低下することが特徴です。SARS-CoV-2に感染した回復期(2~6週後)に学童期以降の小児にこうした症状が認められる傾向があり、感染当初は軽症ですが、急激に川崎病の主症状(発熱、発疹、眼球結膜充血、口唇口腔所見、四肢末端の腫脹、頸部リンパ節腫脹)が出現したとのことです。  現在、国内で増加している変異型新型コロナウイルスは小児への感染がしやすくなっているとの報告もあり、今後、同様の例が発生することが危惧されています。 菊池中央病院   中川 義久令和3年5月6日 参考文献 1 ) 川崎病と冠動脈瘤と新型コロナ感染症https://nobuokakai.ecnet.jp/info/518/ 2)Feldstein LR, et al. Multisystem Inflammatory Syndrome in U.S. Children and Adolescents. N Engl J Med. June 29, 2020. doi: 10.1056/NEJMoa2021680. 3 ) Multisystem Inflammatory Syndrome in Children (MIS-C)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7293840/3 4 ) コロナ感染で発生、小児多系統炎症性症候群日本川崎病学会が関連学会に通知https://medical-tribune.co.jp/news/2021/0326535828/index.html?_login=1#_login

新型コロナワクチンを接種しました

私も新型コロナワクチン(コミナテイ)の接種を2回終了しました。1回目の接種時は接種当日に軽い頭痛と局所の疼痛があり、翌朝には疼痛のため腕があがらなくなりまたが、2日目にはほぼ痛みも軽快しました。2回目の接種でもやはり局所の疼痛があり、1回目よりやや強く感じましたが鎮痛剤を飲むほどではなく、普通に出勤しました。全身的な副作用はあまり感じませんでした。局所の疼痛も2日後にはかなり改善していました。許容できる程度の副作用と感じました。 厚生労働省の調査では2回目の接種での副作用が強く出ており、主な症状と発症率は以下のとおり(1回目/2回目)と報告されております。 発熱(37.5℃以上):3.3% / 35.6% 発熱(38℃以上):0.9% / 19.1% 接種部位反応:92.9% / 93.0% 発赤:13.9% / 16.0% 疼痛:92.3% / 91.9% 腫脹:12.5% / 16.9% 硬結:10.6% / 9.9% 熱感:12.8% / 16.6% かゆみ:7.9% / 10.4% 倦怠感:23.2% / 67.3% 頭痛:21.2%/ 49.0%              文献1)より また、順天堂大学での検討でも以下のグラフのような結果が出ています これらの副作用は若年層および女性での頻度が高いことが分かってきています。先行接種において、ワクチン接種との因果関係が疑われる副反応疑い報告は3月25日時点で1万9808例中20例。このうち、アナフィラキシーは3例でした。因果関係が疑われる特殊な副反応報告に末梢性顔面神経麻痺が挙がっている点について、欧米では、一定数出ているので関連している可能性はあるかもしれないとしています2)。 問題のアナフィラキシーについて米国や英国で一定程度の報告がありましたが、多く見積もっても6~10万回に1件程度で、ワクチン全般からするとやや高い頻度ですが実臨床で次々に発生するような頻度ではないとされています。 薬剤 アナフィラキシーの頻度:100万接種対 ペニシリン 4590 スルフォンアミド 1510 セファロスポリン 610 マクロライド 380 キノロン 370 NSAIDs 1300 オピオイド 980 ワクチン一般 1.31 コミナテイ 11.1 ~ 17.1 文献3)より転載 本邦ではアナフィラキシーの報告が欧米に比較して非常に多いのではないかという指摘もありますが 、厳密なブライトンの診断に合致しない軽症の気分不良が多く報告されており実際に本邦で多いかどうかはまだ不明です3)。  以上のようにアナフィラキシーの発生頻度もペニシリンなどに比較して許容できる程度の頻度で、また、世界で数千万人以上が接種を受けても現時点で因果関係が示唆される重篤有害事象は報告されておらず、ワクチン特有の局所の疼痛や発熱などの副作用がやや強いように思われますが、その効果を考えると許容範囲と思われます。  コミナテイのワクチン効果は高く、2回の接種7日後に発症予防効果が95.0%、重症化予防効果が88.9%と報告されています4)。さらに、最近の報告では5)、ワクチン効果は最低6か月は持続し、かつ感染力の強い南アフリカ由来の変異ウイルスに対しても有効性が100%でした。新型コロナウイルス自体は2~4週間に1回程度のRNA配列の変異を繰り返しており、RNA配列の変異が蛋白の変異につながり、蛋白変異がヒトへの感染性等の変異につながるには偶然が幾重にも重なる必要がありますが、今後の変異株全てにワクチンが有効であるかどうかは不明です。  またコミナテイーの有効性は症状出現し、新形コロナPCR陽性になる可能性について有効性が示されていますが、無症候性感染については有効性は確認されていません。同時に他者への感染予防効果も明らかではありません。つまり、現時点で明らかなのは、発症予防という接種者本人の利益のみが保証されているのみなので、接種後もマスクや外出自粛などの感染対策は必要ということです。  コミナテイは高齢者は積極的な接種対象者ですが70代以上の人のデータはなく、効果・副作用は不明です。15歳以下の小児も同様です。授乳婦には問題ないとされています。妊婦のデータはありません4)(現在治験が進行中です)。 菊池中央病院   中川 義久令和3年4月12日 参考文献 1 ) ワクチン接種2回目で多い副反応疑い、主な症状と発症時期は?/厚労省https://www.carenet.com/news/general/carenet/51965 2)2回目接種の翌日に頭痛や倦怠感などの副反応が顕著新型コロナワクチン先行接種、若年層と女性に多い副反応、5.5%は勤務不可https://www.m3.com/news/iryoishin/895514 3)新型コロナワクチン接種後の副反応ーアナフィラキシー47件、2回目の倦怠感67%. 日本医事新報  2021 ; 5058 ; 14 – 15 . 4)守屋 章成:新型コロナワクチン今わかっていることまだわからないこと . 日本医事新報 2021 ; 5057 ; 18 – 36 . 5)ファイザー製「半年効果」…ワクチン臨床試験https://www.m3.com/news/general/898288?dcf_doctor=true

ピロリ除菌後胃がんは少なくない

ピロリ除菌後胃がんは少なくない  2013 年2月にヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pyrori 以下ピロリ)感染胃炎が保険診療対象疾患となり、わが国はピロリ感染を発見したら除菌するような状態になりました。本邦でのピロリ 除菌治療件数は年間約150 万件となっており、2013 年以降、わが国の胃がん死亡者数は徐々に減少傾向にあります1)。胃がんが好発する60 歳代以上において、ピロリ感染率は依然として高率で、実臨床での主な除菌対象となっています。わが国で内視鏡診療が普及し、胃がんの形態診断学が確立したころ、胃がん症例のほとんどはピロリ感染例でした。胃がん発生の主因はピロリ感染であることに異論の余地はなく、特に、本邦においてはピロリ未感染胃から胃がんが発生することは極めて稀であるため、ピロリ感染を治療すれば胃がん発生は減少し、胃がん死亡が減少することが容易に想定できます。実際、2014 年のIARC(国際がん研究機関)からの勧告文書ではピロリ除菌により胃がん発症を30~40%減少させることができると記載されています1)。しかし、30~40%というのは胃がんの原因がピロリ菌と言う割には少ない数値です。実際、実臨床ではピロリ除菌後の胃がん発生に無視できないほど遭遇することがわかってきて、ピロリ菌は胃がん発生の必要条件ではありますが十分条件ではないことが疑われてきました。その後の検討で、ピロリ感染後胃炎の自然史において、広汎で回復不可能な萎縮性変化や腸上皮化生が出現すると( point of no return を超えると)ピロリ感染に依存せず胃がんが発生するハイリスク状態が確立するという事実がわかってきました2)。Wong らの最初のランダム化比較試験が興味深い結果を提示しています。本研究はピロリ感染者を除菌群とプラセボ群に無作為に振り分け、胃がん発生を平均7.5年間追跡したものです。結果として、両群間の胃がん発生に有意差は認められず、また、除菌群ではプラセボ群より遅れて胃がんが発生していました。除菌により胃がん発生は予防できずに発生を遅らせた、という結果でした。それまでの報告は5年以内の短い期間のものが多く、それらの結果は除菌が胃がん発生に有効という結果でした。最近の報告をまとめると、成人を対象にしたピロリ除菌による胃がん発生抑制効果が当初喧伝されたほど明確なものでなく、除菌後の胃がん発生が長期間無視できない割合で生じることを示しており、最近の研究では除菌後20年あまりの期間、胃がんが年率0.35%の高率で発生したことが報告されています2)。 ピロリ感染が長期間になって、point of no return を超えた胃を有するものが高頻度である中年以上の者がピロリ菌を除菌したからといっても胃がん発生抑制効果が劇的とは考え難く、胃がん発生高リスク状態にとどまり検診受診の継続が必要で有ることを説明する必要があります2)。 ところで、一般的に胃がん病巣の周囲にはピロリ感染胃炎粘膜があり、胃がん組織との形態学的差異を形成しています。ところが、ピロリ除菌治療後は、胃がん周囲粘膜の炎症を劇的に軽快させるのみならず、胃がん自体の形態にも影響を及ぼすことが明らかとなってきました。詳細は割愛しますが、見逃しの危険が多くなり、腫瘍の範囲診断や生検診断の部位の間違いを起こす頻度が多くなるといった新たな問題が提起されています3)。胃がん死亡は減少傾向にありますが、いまだ本邦においては年間約4.5 万人の胃がん死亡があり、これからの胃がん診療においては、除菌後胃がんを適切に診断、治療することが極めて重要です。 ピロリ菌は逆流性食道炎、種々のアレルギー疾患、自己免疫疾患等においてその発症に抑制的に働くことが報告されており、近年の世界的なこれら疾患の増加の1因としてピロリ感染率の低下が関連している可能性が指摘されています。米国国民健康栄養調査ではピロリ感染は胃がん死亡を増加させるが、脳卒中死亡等を減少させ、結果的にピロリ感染者の総死亡リスクは非感染者と変わらないと報告しています4)。胃がん抑制のためのピロリ除菌によって、全身的な他疾患のリスクを増加させる可能性があり、ピロリ菌陽性の健常者を除菌する際には、その将来的なリスクとベネフィットを考慮し説明する必要があります。 菊池中央院   中川 義久令和3年4月2日 参考文献 1 ) 伊藤 公訓ら:Helicobacter pylori 除菌後の胃がん . 日本消化器内視鏡誌 2018 ; 60 ; 5 – 13 .2)一瀬 雅夫ら:Helicobacter pylori 感染胃炎からの発がんー自然史、発がん機序、除菌による予防を巡っての視点― . 日内会誌 2021 ; 110 ; 29 – 35 .3)村上 和成:ピロリ菌感染と胃がんとの関連 . 日内会誌 2021 ; 110 ; 476 – 480 .4)飯島 克則:Helicobacter pylori 感染症:残された課題.日内会誌 2021 ; 110 ; 7 – 9 .

単純ヘルペス脳炎は早期治療が重要

単純ヘルペス脳炎は早期治療が重要 脳炎・髄膜炎では治療開始の遅れが重度後遺症や致死的転機を招くため神経救急として対応する必要があります。急性脳炎にはウイルス性脳炎やその他の病原体による脳炎、自己免疫性脳炎、膠原病に伴う脳炎・脳症などがありますが、ウイルス性脳炎の割合が高く、中でも単純性ヘルペスウイルス( herpes sinmlex virus : HSV ) が脳炎全体の約 20%、次いで水痘・帯状疱疹ウイルス( varicella-zoster virusu : VZV ) による脳炎が約 5 – 10% を占めるとされています。一方で脳炎全体の 30 -50%は原因が同定できないことも指摘されてきましたが、近年、抗 N-methyl-D-asparate ( NMDA ) 受容体脳炎など自己免疫脳炎がクローズアップされこれらの診断例も増えています1)。 当院でも単純ヘルペス脳炎(Herpes simplex encephalitis;以下 HSE と略)と思われる症例を経験したので今回調べてみました。 HSE は単純ヘルペスウイルス 1 型(herpes simplex virus type 1:HSV-1)あるいは 2型(herpes simplex virus type 2 :HSV-2)の初感染時または再活性化時に発症し、発症年齢(新生児、年長児、成人)によってその病態はかなり異なります。年長児から成人の HSEの ほとんどの症例は HSV-1 によるものであり、新生児の HSE では、HSV-1 が HSV-2 より約 2:1 の比率で多いとされています 。HSV が中枢神経系に移行する経路は、上気道感染から嗅神経を介してのルート、血行性ルート、感染した神経節からのルートの 3 通りが考えられています。以後は成人についてのみ記載します。 発生率は本邦では 3.5 人 / 100 万人 / 年と考えられています。 潜伏期は2~12日(平均6日)で、発熱、頭痛、嘔吐、髄膜刺激症状、意識障害、痙攣、記憶障害、言語障害、人格変化、幻 視、異常行動、不随意運動、片麻痺、失調、脳神経症状など多彩な症状で発症します。発熱を伴う不定の中枢神経症状を認める患者を診た場合には、まず HSE を念頭に置いて、迅速診断・早期治療を心がける必要があります。成人のHSE は HSV-1 の再活性化によるものが多く、HSV‐2 は主に脊髄炎や髄膜炎の形をとることが多いとされています2)。 血液検査では CRP などの炎症所見が軽度上昇するにとどまり、その他の特記すべき所見はありません。血液にはウイルスは検出されません。頭部 CT では特別な所見はありませんが除外診断として推奨されます。MRI は体動やけいれんで施行できないことが多いですが、T1 強調画像にて等~低信号、T2 強調画像と FLAIR で高信号を呈することが多く、病初期での病巣検出には DW1 も有用です。側頭葉と辺縁系が HSE の好発部位であり、病初期では 90%に MRI の異常が検出され、側頭葉、前頭葉(側頭葉内側面、前頭葉眼窩、島回皮質、角回)に病巣を認めることが多いとされています1)。 確定診断は髄液検査でされます。髄液初圧は中等度上昇し、単核球、蛋白の上昇を認めます。髄液 HSV DNA 高感度 PCR は非常に有用で感度 95% 特異度 99% と優れた成績を示しています。しかし、一部の例、特に成人例では 5~10%に偽陰性が認められます。その場合、HSV IgG が提出されることもありますが強く推奨はされていません。初回の髄液PCR が陰性でも疑わしい場合は 24 時間後の再検査が勧められます。髄液検査はもちろんCT か MRI で著明な脳圧亢進がないことを確認してからなされます。 以上のごとく疾患特異的な症状や必ずしも MRI が撮像できないことより、診断は髄液からのウイルス DNA の検出によりなされます。しかし、検査結果を得るまでに一定の時間を要する一方で、発症早期に Aciclovir(以下 ACV)治療されないことが転帰不良因子であることから急性脳炎が示唆される、あるいは病院到着後6時間以内に髄液や画像所見をとれない、患者の状態が時々刻々と悪化している場合には ACV を経静脈的に開始することが重要とされています3)。 ACV は HSV 感染細胞にのみ発現するウイルス性チミジンリン酸化酵素(viralthymidine kinase)を介し HSV の増殖を強く抑制し、ヘルペス脳炎 に対して最も安全かつ有効性の高い薬剤です。尿量減少に伴い腎尿細管 ACV の濃度が溶解度をこえると ACVは結晶化し尿細管を閉塞させ腎後性腎障害をひき起こします。このため、免疫正常成人 HSE例では ACV 10 mg/kg/8 時間を 14〜21 日間投与しますが、腎障害の発症を防ぐためにはACV を緩徐に点滴静注(1回あたり1〜2時間以上かけて)すること、十分な尿量(75 ml/時間以上)を確保することが重要です。 ACV が早期に使用されることによって HSE の予後はかなり改善しましたがそれでも死亡率は 10~15%と高く、高度後遺症などの転機不良例は 27~35%、軽症から中等度の後遺症残存症例は 40~51%で完全回復あるいは後遺症が軽度で社会復帰できる患者は約半数と推定されています。現在でも機能予後を考えると深刻な感染症です2)。 適切な ACV による治療が行われた HSE の経過は通常単相性ですが、脳炎症状がいったん軽快した数週間後に増悪することが 5〜27%みられます。この病態機序として HSV の再活性化と免疫炎症性機序の2つが指摘されています4)。このような再燃例で HSV が検出されることはほとんどなく、高率に脳の自己抗体が検出されることから、炎症で脳組織が血中に流出することによる自己免疫の機序による脳障害が多くを占めると考えられてきました。 その中でも NMDA 受容体脳炎が注目されており、HSE の経過中 30%に NMDA 抗体が検出され、再燃例ではステロイドの投与が推奨されています4)。 菊池中央院 中川 義久令和3年3月19日 参考文献 1 ) 中嶋 秀人:急性脳炎診療の進め方とポイント. 神経 2020 ; 37 ; 265 – 267 .2)単純ヘルペス脳炎診療ガイドライン 2017 . 日本神経感染症学会、日本神経学会、日本神経治療学会 監修3)森田 昭彦:単純ヘルペス脳炎の診断と治療 . Neuroinfection 2020 ; 25 ; 35 – 38 .4)⽯川 晴美:単純ヘルペス脳炎における抗 NMDA 受容体抗体の検出 . 神経治療 2019 ;36 ; 265 – 267 . ダウンロード 単純ヘルペス脳炎は早期治療が重要[PDF:182KB]

究極の善玉腸内細菌―アッカーマンシア菌

善玉腸内細菌―アッカーマンシア菌 近年の DNA 解析の発展と腸内細菌学の確立によって,腸内環境の変化が宿主の生体恒常性維持と密接に関与することが科学的根拠に基づいて明らかにされ始めています。私たちの消化管内には重さにして 1.5 kg、数にして 1014 個以上もの腸内細菌が棲息し、一つのコミュニティーを形成しており、エネルギー代謝異常疾患、免疫疾患や神経系疾患など腸管関連疾患から末梢組織における疾患まで、ある種の腸内細菌が様々な病態と密接に関与することが示唆されています 1)。また、このような腸内細菌と宿主を結びづける実質的な分子実体として、腸内細菌由来代謝物が注目され始め、生体恒常性維持に重要な役割を果たしていることが示唆されてきました。 アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)は、2004 年に発見された、ヒトの腸内に存在するムチン分解菌であり、肥満、糖尿病、炎症との関連について近年、広範な研究がされるようになってきました。 アッカーマンシア・ムシニフィラは、特に、肥満及び 2 型糖尿病に有効である可能性が注目されています。この細菌は通常はヒトの消化管に 3-5%存在しますが、肥満している場合にはこの比率が低下していることが判明しました。また、同菌を肥満マウスに注入したところ、体脂肪量を半減できることが解りました。 消化管は粘膜がむぎだしになっているわけではなく、ムチンという粘液に覆われており、そのムチンのゲル層は、胃では厚く全面を覆っていますが、小腸では薄く断続的となり、大腸では再び厚く全面を覆るようになります.ヒトの場合、ゲル層の厚さは、胃と大腸では数百 µm から 1 mm 近くになるとされています。アッカーマンシア菌はムチン分解菌ですが、ムチンを産生させる役目もあり、腸内で繁殖すると、腸の壁の厚さが増し、ムチンが増え、糖類が身体に吸収されることが妨げられることにより糖の吸収が悪くなり、痩せる作用があると考えられています2)。また、同時に厚くなったムチンが腸内で発生した炎症物質の腸内侵入や細菌やエンドトキシンの腸管内粘膜への侵入を防ぐために、同菌の増加は、全身の抗炎症作用があると考えられています。このムチンの存在は食物繊維が不可欠で、欧米の食生活は食物繊維が少なく、食物繊維飢餓という非常事態に際して、さまざまな腸内細菌が、自らの生存のために、生体防御として非常に重要な粘液層を消化しながら粘液層を破壊してしまいます。食物繊維の少ない欧米型の食事はこのような機序で消化管内ムチンを減少させ、アッカーマンシア菌を減少させてしまうのです3)。また、食物の脂肪の種類が、消化器官の他の細菌と比較してアッカーマンシア菌の成長に影響を及ぼすことが解ってきました。マウスで、ラードを摂取群と魚油摂取群を比較してみました。11 週間後、魚油食を摂取した群はアッカーマンシア群及びラクトバシラス属の細菌が増加しましたが、ラード食を与えた群は両者の菌が減少していました。また、このアッカーマンシア菌群が減少したマウスでは炎症反応が亢進していました4)。アッカーマンシア菌が減少する他の物質として抗生剤の投与が知られており、家畜に抗生物質を投与すると家畜が肥満する現象に関連しているのかもしれません5)。また、非吸収性の人工甘味料もアッカーマンシア菌を減少させ、これは長期間の人工甘味量の飲用で肥満が生じることと関連しているのかもしれません。 薬剤でアッカーマンシア菌を増加させるのがメトホルミンで、メトホルミンは血中から便中にぶどう糖を出す作用があり、このぶどう糖を餌にアッカーマンシア菌が増殖し、同薬の血糖降下作用の一部になっていると考えられています6)。アッカーマンシア菌は抗炎症作用や、抗肥満、血糖降下作用のみならず、近年、抗悪性腫瘍剤の PD-1 阻害剤の作用を増強させる作用も指摘されており7)、優れた腸管内の善玉菌であることがわかってきました。 菊池中央院 中川 義久令和3年3月8日 参考文献 1 ) 向山 弘美:宿主エネルギー代謝制御における腸内細菌と遊離脂肪酸の役割 . オレオサイエンス 2019 ; 19 ; 139 – 144 .2)芦田 久:消化管ムチンを介した微生物と宿主の相互作用 . 化学と生物 2016 ; 54 ; 901– 906 .3)金井 隆典:腸内細菌と消化器疾患. 日内会誌 2019 ; 108 ; 1939 – 1945 .4)内藤 裕二:腸内微生物叢・代謝物ビッグデータをどのように食・食品機能性研究に応用するか?Functional Food Research 2019 ; 15:4 – 10 .5)伊藤 裕:腸内細菌と肥満 . 日本内科学会雑誌 2016 ; 105 ; 172 – 176 .6)内藤 裕二:腸内細菌叢と環境要因. 日本医師会雑誌 2020 ; 149 ; 1537 – 1541 .7)大坂 利文:抗生物質による腸内細菌叢の変化と生体影響. 腸内細菌学雑誌 2018 ; 32 ;125 – 136 . ダウンロード 究極の善玉腸内細菌―アッカーマンシア菌[PDF:119KB]

PEG アナフィラキシーとは?

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新型コロナ感染症のPCR再陽性例は感染蔓延の危険はないのか?

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サプリメントとしてのビタミンD

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ビタミンDが不足すると新型コロナウイルス感染症が重症になる

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いよいよ日本でも新型コロナワクチン接種が始まります

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若者に帯状疱疹が急増中

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虫垂炎、憩室炎と誤診される腹膜垂炎

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比較的徐脈をきたす感染症

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新型コロナの抗原定性検査の実力は

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OPATとは

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欧米で話題のライム病とは

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10月1日からワクチンの接種間隔が変更になります

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新型コロナ(SARS-CoV-2)では集団免疫はできない?

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新型コロナ(SARS-CoV-2)とインフルエンザ -ウイルス干渉-

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新型コロナの許容リスク

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免疫老化と新型コロナ感染症( COVID-19 )

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と栄養・睡眠・運動

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新型コロナウイルス感染症後の全身の後遺症

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洪水後に増加する経皮感染のレプトスピラ

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新型コロナの抗原検査

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新型コロナの抗体検査

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抗体依存性免疫増強とは

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新型コロナウイルスワクチンの開発

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川崎病と冠動脈瘤と新型コロナ感染症

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新型コロナウイルス(COVID-19)感染症 の治療

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症 の治療

新型 コロナウィルスに 関するお 知らせ

新型 コロナウィルスに 関するお 知らせ 【外来受診について】 新型コロナウィルス感染を疑われる患者さん は、病院を受診される前にまず、お住まいの保健所に開設されています「帰国者・ 接触者相談センター」に電話にてご相談下さい。・菊池保健 所:0968-25-4138・山鹿保健 所:0968-44-4121 【面会について】 病棟への出入りは全面禁止しています。

MERSはまだ終息していない

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空気感染と飛沫感染

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新型コロナウイルスー感染症学会からの提言

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好中球細胞外トラップ(NETS)

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肺MAC症は予防が大切

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過敏性腸症候群と低FODMAP食

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抗インフル薬は何を使う?

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百日咳は新しい検査法でも診断が難しい

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抜歯時の抗生剤投与

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不明熱の中の感染症

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Eagle効果とは?

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ピロリ感染診断には血清抗体を用いない

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2回ワクチン打っていれば抗体測定不要

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IgG抗体アビディティー検査とは

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手足口病が流行しています

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成人Still病は薬剤アレルギーに注意

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風疹の第五期定期接種

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ダイエットで人気のカルニチン、抗生剤で低下する?

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疥癬とイベルメクチン

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妊婦さん、子供の食べ残し食べないで

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2つの帯状疱疹ワクチン

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もうひとつのピロリ菌、ハイルマニイ菌

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単純ヘルペスの1日治療

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溶連菌感染症が増えています

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ムンプスワクチンの必要性

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扁桃炎ーEBウイルス感染を否定できるかー

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麻疹の感染対策はワクチンのみ

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新しいレジオネラ感染の診断キット

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リンゴ病が流行の兆し

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インフルエンザの診断―イクラサイン―

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市中に広がるClostrioides difficile

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高齢のHIV陽性者・AIDSの増加

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レジオネラ肺炎は見逃されやすい

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感染症の出席停止期間

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風疹の流行が続いています

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インフルエンザワクチンは午前中の接種が有効?

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クラミジア(クラミドフィラ)肺炎は少ない

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A、B、C型肝炎より多いE型肝炎、一部慢性化 も

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タミフル10歳代も可、異常行動は脳梁膨大部脳 炎

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性行為感染症で増加しているA型肝炎

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夏に増加する軽皮感染症のレプトスピラ

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平成30年7月豪雨・洪水における感染予防

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尿道炎もマイコプラズマが関与

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ロシアにも狂犬病はあります

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百日咳の新しい検査法

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病院実習を始める看護学生へのウイルス抗体価測 定の項目(再掲)

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子宮頸がんワクチンの副作用ー自己免疫性脳炎―

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何故、麻疹流行はくりかえされるのか

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オーストラリアのメロンがリステリアに汚染?

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薬剤性過敏症症候群は一種の免疫再構築症候群

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見逃されている乳児ボツリヌス症

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アメーバ赤痢の国内感染が増えています

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まるでノロウイルスの培養室―平昌オリンピック

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マイコプラズマ肺炎―LDHがステロイド投与の 目安―

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成人の流行性筋痛症―パレコウイルス感染症―

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インフルエンザ迅速検査をしないこともあります

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インフルエンザ新情報

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日本全国に存在する?ダニ媒介性脳炎

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風邪症候群から伝染性単核球症を見つける

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インフルエンザワクチンをうつべきか?

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クロストリジウム毒素抗体療法

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メトロニダゾール点滴静注

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ビタミンDと感染症

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秋~冬に流行する猫ひっかき病

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プロトンポンプ阻害剤と感染症

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ピロリ菌の尿中抗体

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猫咬傷で重症熱性血小板減少症候群(SFTS) を発症

猫咬傷で重症熱性血小板減少症候群(SFTS) を発症

ニューキノロン系薬の警告強化

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熊本県内で梅毒患者が急増 昨年の2倍超

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腸管出血性大腸菌、気温上昇で流行の兆し

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DAAによるHBVの再活性化

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アニサキス症が急増しています

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亜鉛と感染症

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B型肝炎ワクチン3回接種後の抗体確認

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温泉利用の男性、レジオネラ症で死亡

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研修医が修麻疹飾を発症

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「一晩寝かせたカレー」食中毒ご注意

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クリプトコッカスが前立腺に潜んでいる

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ピロリ除菌、ペニシリンアレルギー大丈夫?

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妊婦さんはトキソプラズマに注意

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インフルエンザワクチンはA香港型には無効?

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百日咳の新しい診断法

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梅毒の治療にペニシリンとプロベネシッド

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感染症の後遺症、ギランバレー症候群

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発熱と発疹、HIV感染症もあります。第4世代 検査法で

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麻疹の鑑別・薬剤過敏症症候群

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卵アレルギーとインフルエンザワクチン

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マイコプラズマ肺炎が増えています。その診断に ついて。

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肉フェスで大勢の食中毒!犯人はやっぱり!

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麻疹が流行しています。index case を診断できるか

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結核のハイリスクグループ

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ジビエ(野生鳥獣の肉)料理の危険

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帯状疱疹患者さんは隔離すべきか –

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経皮感染するレプトスピラ – 水遊びに注意 –

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激減した腸炎ビブリオ食中毒

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夏に増加するサルモネラ食中毒

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熊本地震と洪水、懸念される破傷風

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日本紅斑熱の増加が懸念

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ウイルス性顔面神経麻痺

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ブドウ球菌による食中毒

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2週間以上続く咳は?

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マクロライドの乱用を避けなければ

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生物の持つ天然毒の中で最強のパリトキシン

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百日咳は血清診断すべきか?

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見逃されている反応性関節炎

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中南米で流行しているジカ熱

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歯性感染症、大腸炎から大腸癌までおこすフソバ クテリウム

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日本では冬に流行するインフルエンザが熱帯地域 では雨季に流行する

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化血研問題でワクチンが不足する

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青魚アレルギーではなくアニサキスアレルギー

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市中に拡がる耐性黄色ブドウ球菌

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口唇ヘルペスに生涯罹らないことは可能でしょう か

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新型ノロウイルスが今冬流行するかもしれません

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インフルエンザワクチンが4価になりました

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不思議な真菌、ニューモシスチス

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ビブリオ・バルニフィカスに良く似たエロモナス 感染症

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帯状疱疹の予防に水痘ワクチン

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1日1錠、12週間服用でほぼ100%有効なC 型肝炎治療薬

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タケキャブを用いたピロリ除菌

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夏に増加するビブリオ・バルニフィカス感染症

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今夏、デング熱は流行する?

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リステリア菌も冷蔵庫内で増殖します

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韓国でのMERS感染症 -スーパースプレッダーの存在-

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エルシニア菌は冷蔵庫内でも増殖します

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ピロリ菌除菌後も定期的胃カメラが必要です

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B型肝炎ワクチンの0歳児への定期接種

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保育園での疥癬の集団発生

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マイコプラズマ迅速診断キットを導入しました

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致死的上気道炎ーレミニール症候群ー

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不登校や仮病の原因がQ熱

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新鮮地鶏にご用心

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腸内細菌の変化で痩せられる

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人食いバクテリアが増加している?

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インフルエンザの登校停止期間

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見逃されているE型肝炎

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日本ではレジオネラ症は少ないのか

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増加している輸入真菌症ーコクシジオイデス症ー

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どのような嘔吐下痢症に抗生剤を投与するか?

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エボラ出血熱の救世主?アビガン錠とは?

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インフルエンザの合併症

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プレセプシン全血で測定できる敗血症診断マー カー

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関節リウマチの主な原因はタバコと歯周病

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デング熱とチクングニア熱

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デング熱の国内感染例が増加しています

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髄膜炎菌ワクチン「メナクトラ」の製造・販売が 承認されました

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西アフリカでエボラ出血熱が流行しています

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超高感度HBs抗原が測定できるようになりまし た

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成人の肺炎球菌ワクチンが2 種類になりました

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ステロイドホルモンによる糞線虫の再活性化

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ブラジルから帰国した旅行者における感染症

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プロトンポンプ阻害剤が低用量アスピリン服用者 の小腸粘膜傷害の危険因子

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NHCAP(医療・介護関連肺炎)の予後は抗生 剤では左右されない

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急性扁桃炎―急性HIV感染症は鑑別できる?-

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病院実習を始める看護学生へのウイルス抗体価測 定の項目

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ミャンマーでの刺身喫食で顎口虫症

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日本人も肺炎クラミジア感染で冠動脈疾患リスク が上がる?

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麻疹の海外感染に注意

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40歳未満の帯状疱疹は脳卒中の危険因子

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貝毒は加熱しても発症します

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ノロウイルス感染が流行する原因

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ブラジル渡航に必要なワクチンは?

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ブラジルW杯 現地で応援するなら

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HIVの曝露後感染予防

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腸内細菌とアンチエイジング(その2)

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腸内細菌とアンチエイジング(その1)

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菊池病は何らかのウイルス感染症

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潜在性結核感染症(Latent Tuberculosis Infection : LTBI)とは

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JCウイルスの再活性化による脳炎

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真菌性副鼻腔炎が増えています

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発疹のない帯状疱疹とそれによる運動神経麻痺

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腸内細菌で分解された漢方による特発性腸間膜静 脈硬化症

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ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌判定法と実施時 期

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ウェルシュ菌とその食中毒

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自然によくなったり悪くなったりする梅毒の症状

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抗生剤による光線過敏症に注意

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子宮頸がんワクチンの副作用-本当に必要なワク チン?-

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風疹抗体測定はHIA法で行っています

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HBs抗原陰性、HBs抗体陰性でHBc抗体の み陽性

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鉄過剰と感染症

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アデノウイルス感染症が増えてきました

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中国の鳥インフルエンザの死亡者の臨床像

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抗生剤の副作用で胆石!!

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ヘリコバクターシネジー感染症

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水道水からのジアルジア検出

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風疹が流行しています

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かぜ症候群と抗生剤

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国内で初めて診断された重症熱性血小板減少症候 群

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イナビルと二峰性発熱

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肺MAC症の新しい血清診断

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大腸憩室炎が増加しています。

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新しい結核診断検査

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EBウイルスによる伝染性単核球症が増加してい ます

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気道感染症診断法の進歩

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RSウイルス感染症が増加しています

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狂犬病「顧みられない病気」と懸念WHO

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渡航医学会研修会にいってきました

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結核の血清診断をWHOが中止勧告

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洪水後のレプトスピラに注意

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手足口病と髄膜炎

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子供のうちに罹っておきたいサイトメガロ・ウイ ルス

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難病の犯人はニキビ菌

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エイズ検査が無料、匿名で受けられます

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ピロリ除菌のその後

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感染症学会の記帳報告

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急性虫垂炎は手術?抗生剤治療?

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米国で感染性胃腸炎による死亡が急増!その原因 はC. difficile

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歯周病の治療でNASHが治る?

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インフルエンザ迅速検査-陰性的中率が低下-

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不明熱の鑑別診断-自己炎症症候群-

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全国で水痘が流行しています。あなたは大丈夫?

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小腸潰瘍の原因は小腸細菌叢

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