慢性下痢症―顕微鏡的大腸炎― 2022年9月5日 慢性下痢症―顕微鏡的大腸炎― 下痢を訴えて外来を受診される方は多く、大半が急性の下痢でその原因は感染症が圧倒的に多く、ウイルス性が大半を占め、時にカンピロバクター腸炎が混じるためカンピロバクター腸炎を見逃さないように診療しています。ウイルス性の感染性下痢では腸内細菌を乱さないように抗生剤を使用せず整腸剤のみを使用します。 ところが慢性下痢になると原… 続きを読む>
ダニ刺傷にご注意 2022年8月19日 ダニ刺傷にご注意 人を刺すツメダニ、イエダニ、マダニのうち、イエダニとツメダニは室内で発生するダニで、一方マダニは、野外で発生するダニです。室内にいるイエダニ、ツメダニは体長0.3~1.0mmほどの小さなダニで、刺されると1週間ほどしつこいかゆみが続きますが、特別な感染症を媒介することはあまりありません。それに対してマダニは屋内のダニに比べて10倍… 続きを読む>
淡水で経皮感染するレプトスピラ症 2022年8月10日 淡水で経皮感染するレプトスピラ症 新型コロナのオミクロン株の感染蔓延のなかでも行動制限のないこの夏はみなさんどう過ごされるでしょうか?休暇中や休暇後に体調が悪化したらまず新型コロナ感染を疑うのは当然のことでしょう。ただ、新型コロナウイルスPCRが陰性である時にただの風邪と診断して良いのでしょうか?もっとも、新型コロナウイルスPCRの感度が70 ~ … 続きを読む>
新型コロナウイルスに関するお知らせ 2022年8月3日 【新型コロナウイルス陽性者の発生について(最終報)】 7月13日に当院の入院患者様と職員合わせて15名の新型コロナウイルス感染症への感染が確認されたことに関する最終的なお知らせです。8月1日をもって、当該病棟の全ての感染者の療養期間が終了し、新たな感染者の発生も認められておりません。皆様には多大なご心配とご迷惑をお掛けいたしましたが、引き続き管轄の保… 続きを読む>
新型コロナ感染症は空気感染 2022年7月25日 新型コロナ感染症は空気感染 細菌やウイルスなどの病原体が人から人に感染する経路を感染経路と言います。感染経路は大きく、接触感染、飛沫感染、空気感染の3つに分けられます。世界保健機関(WHO)や米国疾病対策センター(USCDC)を初めとする専門機関は、日常生活における新型コロナウイルスの主要な感染経路は当初、飛沫感染と接触感染だと判断し、この感染経路… 続きを読む>
新型コロナウィルスに関するお知らせ 2022年7月14日 【新型コロナウイルス陽性者の発生について】 謹啓 猛暑の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素より当院の運営に関しまして格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 この度、7月13日時点で、入院患者様数7名と当院の病棟職員8名が新型コロナウイルス感染症に感染していることが判明いたしました。管轄の保健所にも相談の上、現在も… 続きを読む>
熊本県内でカンピロバクター腸炎が急増 2022年7月8日 熊本県内でカンピロバクター腸炎が急増 鶏肉などに含まれる「カンピロバクター」を原因とする食中毒が熊本県内で増えています。昨年は過去10年間で最多の8件。今年も6月末時点で既に5件が発生しており最多ペースで推移しています。市保健所によると件数増の原因は不明と言っていますが、コロナ感染が減少して外食の機会が増えたことも要因の一つでしょう。 … 続きを読む>
アニサキス急増中 2022年7月4日 アニサキス急増中 全国各地でアニサキス食中毒が激増しています。ここ数年でその数は一気に増え、5年前からは食中毒の原因のワースト1位にもなっています。厚生労働省の速報によると今年はさらに激増し、すでに124件のアニサキス食中毒が発生しています(2022年6月8日時点)。なぜ近年増加しているのでしょうか? アニサキスは、幼虫(体長2~3センチ)が魚介類… 続きを読む>
オミクロン株は弱毒ウィルスではありません 2022年6月24日 オミクロン株は弱毒ウイルスではありません 厳しい入国制限、マスク着用の義務などを実施した香港、韓国、シンガポール、ニュージーランドなどは、これまで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者数と死亡者数が欧米に比べて格段に少ない国とされてきました。しかし、オミクロン株出現後にそれらの国で軒並み大規模な感染拡大が起き、新規患者数で欧米を上回ると… 続きを読む>
今後、感染症の増加が予想されます 2022年6月6日 今後、感染症の増加が予想されます 2020年4月に発出されたCOVID-19 緊急事態宣言下で、私たちはコロナ対策として接触感染、飛沫感染をやってきました。当初、空気感染はないと言われていましたが、最近、エアゾル感染の可能性も言われており換気にも注意しております。そのおかげでコロナ以外の感染症が激減していると言われています。 文献1)… 続きを読む>
野良猫対策でトキソプラズマ減少を 2022年5月25日 野良猫対策でトキソプラズマ減少を はじめにトキソプラズマ症とは、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)と呼ばれる原虫によって引き起こされる感染症の一種です。世界人口の約3人に1人、日本でも約5人に1人が感染しているという広く蔓延している感染症です。トキソプラズマはネコやヒトなど、さまざまな動物に感染性を示すことが知られています。ヒトへの… 続きを読む>
待たれる抗サイトメガロウイルスワクチン 2022年5月13日 待たれる抗サイトメガロウイルスワクチン 新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)は大半が軽症で自然経過しますが、ごく一部の人が重症化し時には死亡することもある感染症です。そこでこの厄介な感染症の症状の個人差や年齢差について、研究が続けられています。COVID-19では、高齢者が重症化しやすいことから加齢によるリスクファクターがあると考えら… 続きを読む>
原因不明の子供の肝炎。アデノウイルス? 2022年4月28日 原因不明の子供の肝炎。アデノウイルス? 原因不明の子供の肝炎が欧州で問題となっています。2022年4月23日、世界保健機関(WHO)は、4月上旬以降に169件の症例を確認し、「少なくとも子ども1人の死亡が報告されている」と発表しました。これまでのところ、この肝炎は欧州11カ国とアメリカの2つの州で確認されています。最も多いのがイギリスの114件で、… 続きを読む>
誤嚥性肺炎で嫌気性菌は意外と少ない 2022年4月20日 誤嚥性肺炎で嫌気性菌は意外と少ない 肺炎は社会の高齢化を反映してその死亡者数は徐々に増加し、2011 年に初めて本邦の死亡原因の第 3位となりました。肺炎による死亡者の 95% 以上が 65 歳以上の高齢者で、入院を要する肺炎患者のうち、60 歳代では約 50% が誤嚥性肺炎で、さらに、年代が上昇するごとにその割合は上昇すると報告されています。高齢… 続きを読む>
動物の出産に関連して発熱!!―ブルセラ症― 2022年4月4日 動物の出産に関連して発熱!!―ブルセラ症― ブルセラ症(Brucellosis)は、ブルセラ属菌(Brucella spp.)により引き起こされる世界的に重要な人獣共通感染症です。食料や社会・経済面で動物への依存が強い国や地域、家畜衛生対策が進んでいない地域で非常に多くの患者・患畜が発生しており、世界中で年間 50 万人を超える家畜ブルセ… 続きを読む>