梅毒治療に伴うNicolau 症候群―臀部への筋注は注意― 2023年2月16日 梅毒治療に伴うNicolau 症候群―臀部への筋注は注意― 日本中で梅毒が増加しています。梅毒の主な感染経路は性的な接触で、キスや性行為などで感染が広がります。潜伏期間でも感染者の粘膜や傷のある皮膚に直接触れると感染することがあります。感染増加の原因として避妊具を用いない性行為が感染のリスクを高めますが、このコロナ禍のなかでインターネットを通じた不… 続きを読む>
マイコプラズマ感染症の診断は難しい 2023年2月2日 マイコプラズマ感染症の診断は難しい マイコプラズマ(M.pnenmoniae)感染症の診断法には、マイコプラズマの病原体を検出 する方法と血中抗マイコプラズマ抗体測定法があります。マイコプラズマ病原体を検出する方法は培養法、抗原検査法、PCR法などがあります。培養法は手間がかかり、結果の判明まで比較的長期間を要するため実臨床で使用されることはありま… 続きを読む>
マイコプラズマ感染で意識障害 2023年1月20日 マイコプラズマ感染で意識障害 2023年1月7日、タイの王室はパッチャラキッティヤパー王女(44歳)がマイコプラズマ感染後の炎症による重度の不整脈のため、2022年12月15日に意識を失って以降、3週間以上にわたって意識が戻らないままであると発表しました(yahooニュース)。 マイコプラズマは、ウイルスなみに小さい微生物です。マイコプラズマは、細… 続きを読む>
新型コロナウイルスは再感染すると重症化する? 2023年1月10日 新型コロナウイルスは再感染すると重症化する? 新型コロナウイルス感染症は何回も感染することは間違いないようです。外国では初回感染後、わずか数週間、あるいは数カ月後に再感染したことという報告は多くあります。ではどれぐらいの頻度で再感染するのでしょうか?オミクロン株以前のデータでは再感染は極めてまれといわれてきましたが、オミクロン株に置き換わってからは再… 続きを読む>
少しずつ解ってきたオミクロン株の後遺症 2022年12月22日 少しずつ解ってきたオミクロン株の後遺症 現在大半の人が、オミクロン株がそれまでの新型コロナウイルス株に比べ重症化しにくいと考え、ウイズコロナへと舵を切っています。つまり、コロナへの感染対策は続けながらも経済活動を拡大しようという事です。それに伴ってコロナへの対策もおろそかにになる場合も生じえます。しかし、そこには別の重大な疑問が影を落としています。… 続きを読む>
淡水魚の生食で顎口虫症―皮下を虫体が移動― 2022年12月13日 淡水魚の生食で顎口虫症―皮下を虫体が移動― 青森県保健衛生課は11月29日、寄生虫の一種・顎口虫(がっこうちゅう)が皮膚に引き起こす「顎口虫症」の可能性のある患者が、県内で相次いで確認されていると報告しました。患者は100人を超えているようです。顎口虫の幼虫は、淡水魚などを宿主に成長します。同課は、9月以降にシラウオなどの淡水魚を生食し、かゆみや痛… 続きを読む>
ゾコーバ:本邦初のコロナ内服治療薬 2022年11月25日 ゾコーバ:本邦初のコロナ内服治療薬 厚生労働省は11月22日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経口治療薬「ゾコーバ錠125mg」(一般名:エンシトレルビルフマル酸)の緊急承認を認め、12月初頭から医療現場で使用できるよう供給を開始するとの見通しを示しました。ゾコーバは国内企業が創製した初の経口薬で、これまで新型コロナの治療薬として承認… 続きを読む>
フルロナ?フルコビット?コロナウイルスとインフルエンザの同時感染 2022年11月10日 フルロナ?フルコビット?コロナウイルスとインフルエンザの同時感染 「フルロナ」あるいは「フルコビット」といった単語をご存じでしょうか?この2つの単語は造語で、コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時感染のことです。「コロナウイルス」と「インフルエンザウイルス」に同時に感染している状態のことを指した造語です。今年の1月ごろに海外で重複感染した報告が… 続きを読む>
見逃されているHIV感染者 2022年10月26日 見逃されているHIV感染者 HIV(Human Immunodeficiency Virus)はヒト T 細胞に感染するレトロウイルスであり、細胞性免疫不全が主な病態です。ニューモシスチス肺炎をはじめとした日和見感染症や、ウイルスの直接関与の有無にかかわらず悪性腫瘍を発症することが知られています。世界的には HIV 患者数の増加は頭打ちになっている… 続きを読む>
HIV検査が減少しています 2022年10月11日 HIV検査が減少しています 厚生労働省のエイズ動向委員会は2020年の1年間に保健所などで行ったエイズウイルス(HIV)の検査が19年に比べて半減し、6万8998件となったと発表しました。相談も半減し、6万6519件でした。新型コロナウイルスの感染が拡大し、HIVの検査や相談をためらう人が増えたほか、保健所の業務がコロナ対応で逼迫(ひっぱく)し、H… 続きを読む>
抗補体薬と感染症 2022年9月28日 抗補体薬と感染症 補体は今から120年前に抗体と協働して細菌の溶菌に関与するタンパク質として発見されました。人の血清タンパク質の5%を占めており、30種類余りの血清及び細胞膜タンパク質から形成されております。補体は侵入した微生物等の異物によって活性化され、その排除に働きます。補体には大きく分けて活性化に関与する分子群と過剰な活性化を制御する分子群が… 続きを読む>
慢性下痢症―顕微鏡的大腸炎― 2022年9月5日 慢性下痢症―顕微鏡的大腸炎― 下痢を訴えて外来を受診される方は多く、大半が急性の下痢でその原因は感染症が圧倒的に多く、ウイルス性が大半を占め、時にカンピロバクター腸炎が混じるためカンピロバクター腸炎を見逃さないように診療しています。ウイルス性の感染性下痢では腸内細菌を乱さないように抗生剤を使用せず整腸剤のみを使用します。 ところが慢性下痢になると原… 続きを読む>
ダニ刺傷にご注意 2022年8月19日 ダニ刺傷にご注意 人を刺すツメダニ、イエダニ、マダニのうち、イエダニとツメダニは室内で発生するダニで、一方マダニは、野外で発生するダニです。室内にいるイエダニ、ツメダニは体長0.3~1.0mmほどの小さなダニで、刺されると1週間ほどしつこいかゆみが続きますが、特別な感染症を媒介することはあまりありません。それに対してマダニは屋内のダニに比べて10倍… 続きを読む>
淡水で経皮感染するレプトスピラ症 2022年8月10日 淡水で経皮感染するレプトスピラ症 新型コロナのオミクロン株の感染蔓延のなかでも行動制限のないこの夏はみなさんどう過ごされるでしょうか?休暇中や休暇後に体調が悪化したらまず新型コロナ感染を疑うのは当然のことでしょう。ただ、新型コロナウイルスPCRが陰性である時にただの風邪と診断して良いのでしょうか?もっとも、新型コロナウイルスPCRの感度が70 ~ … 続きを読む>
新型コロナ感染症は空気感染 2022年7月25日 新型コロナ感染症は空気感染 細菌やウイルスなどの病原体が人から人に感染する経路を感染経路と言います。感染経路は大きく、接触感染、飛沫感染、空気感染の3つに分けられます。世界保健機関(WHO)や米国疾病対策センター(USCDC)を初めとする専門機関は、日常生活における新型コロナウイルスの主要な感染経路は当初、飛沫感染と接触感染だと判断し、この感染経路… 続きを読む>