日常的な土いじりは破傷風のリスクファクター 2023年5月11日 日常的な土いじりは破傷風のリスクファクター 破傷風は土壌に存在する破傷風菌の侵入により引き起こされる感染症です。破傷風菌の産生する神経毒素により運動ニューロンの抑制シグナル伝達が阻害され、全身の筋緊張亢進をきたし、重篤化すると自律神経障害を引き起こす疾患です。破傷風症例のうち約 80%は人工呼吸管理を要するとされ、創処置、抗菌薬投与、鎮静管理など全… 続きを読む>
大人もかかるヘルパンギーナ、熊本県で増加中 2023年4月27日 大人もかかるヘルパンギーナ、熊本県で増加中 2023年4月10~16日の熊本県感染症情報によると、県内50定点医療機関から報告されたヘルパンギーナの患者報告数は129人で、前週比1・8倍に急増しました。例年6月ごろから増え始め、7~8月にピークを迎えるのですが、県健康危機管理課は、今年は増加期が早まっているとして、注意を呼びかけています。同課による… 続きを読む>
さまざまな病気を起こすEBウイルス 2023年4月18日 さまざまな病気を起こすEBウイルス この3年間にコロナ感染症対策として飛沫・接触感染対策を行ってきた結果、その他のウイルス感染症も激減し、これからコロナ感染対策が緩和されるに従い、多くの感染症が出現する可能性があります。多くの感染症は免疫がまだ成熟していない幼少児期に感染し、軽症で済んで抵抗力を身に着けていくものですが、成人になって初感染すると重症… 続きを読む>
マイコプラズマとプロカルシトニン(procalcitonin : PCT) 2023年4月4日 マイコプラズマとプロカルシトニン(procalcitonin : PCT) PCT はアミノ酸 116 個よりなる分子量約 13kDaのペプチドで 、正常ではカルシトニンの前駆体として甲状腺 C 細胞で合成されます。しかし、細菌、寄生虫、真菌による重篤な感染症においては、その菌体や毒素などの作用により、TNF-αなどの炎症性サイトカインが産生され、… 続きを読む>
男性にもHPVワクチンを 2023年3月24日 男性にもHPVワクチンを 厚生労働省がHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン(子宮頸がんワクチン)を男性にも無料接種が可能になるよう検討を進めているようです。現在、HPVワクチンのうち「2価」と「4価」は、小学6年から高校1年の女性は国の助成により無料で接種可能となっています。この2種類のうち「4価」に関しては、男性に対しても中咽頭がん、肛門がん… 続きを読む>
自宅風呂でも起こりうるレジオネラ肺炎 2023年3月2日 自宅風呂でも起こりうるレジオネラ肺炎 ここ数日、老舗温泉旅館がお湯の入れ替えや掃除を怠って多量のレジオネラ菌が検出されたという報道がながれています。 レジオネラ属菌は本来土壌などの自然環境中の細菌で少なくとも46の種と、70の血清型が知られています。人への病原性は15の血清型が知られています。通性細胞内寄生性菌で、冷却塔、給湯系、渦流浴などの人工環… 続きを読む>
梅毒治療に伴うNicolau 症候群―臀部への筋注は注意― 2023年2月16日 梅毒治療に伴うNicolau 症候群―臀部への筋注は注意― 日本中で梅毒が増加しています。梅毒の主な感染経路は性的な接触で、キスや性行為などで感染が広がります。潜伏期間でも感染者の粘膜や傷のある皮膚に直接触れると感染することがあります。感染増加の原因として避妊具を用いない性行為が感染のリスクを高めますが、このコロナ禍のなかでインターネットを通じた不… 続きを読む>
マイコプラズマ感染症の診断は難しい 2023年2月2日 マイコプラズマ感染症の診断は難しい マイコプラズマ(M.pnenmoniae)感染症の診断法には、マイコプラズマの病原体を検出 する方法と血中抗マイコプラズマ抗体測定法があります。マイコプラズマ病原体を検出する方法は培養法、抗原検査法、PCR法などがあります。培養法は手間がかかり、結果の判明まで比較的長期間を要するため実臨床で使用されることはありま… 続きを読む>
マイコプラズマ感染で意識障害 2023年1月20日 マイコプラズマ感染で意識障害 2023年1月7日、タイの王室はパッチャラキッティヤパー王女(44歳)がマイコプラズマ感染後の炎症による重度の不整脈のため、2022年12月15日に意識を失って以降、3週間以上にわたって意識が戻らないままであると発表しました(yahooニュース)。 マイコプラズマは、ウイルスなみに小さい微生物です。マイコプラズマは、細… 続きを読む>
新型コロナウイルスは再感染すると重症化する? 2023年1月10日 新型コロナウイルスは再感染すると重症化する? 新型コロナウイルス感染症は何回も感染することは間違いないようです。外国では初回感染後、わずか数週間、あるいは数カ月後に再感染したことという報告は多くあります。ではどれぐらいの頻度で再感染するのでしょうか?オミクロン株以前のデータでは再感染は極めてまれといわれてきましたが、オミクロン株に置き換わってからは再… 続きを読む>
少しずつ解ってきたオミクロン株の後遺症 2022年12月22日 少しずつ解ってきたオミクロン株の後遺症 現在大半の人が、オミクロン株がそれまでの新型コロナウイルス株に比べ重症化しにくいと考え、ウイズコロナへと舵を切っています。つまり、コロナへの感染対策は続けながらも経済活動を拡大しようという事です。それに伴ってコロナへの対策もおろそかにになる場合も生じえます。しかし、そこには別の重大な疑問が影を落としています。… 続きを読む>
淡水魚の生食で顎口虫症―皮下を虫体が移動― 2022年12月13日 淡水魚の生食で顎口虫症―皮下を虫体が移動― 青森県保健衛生課は11月29日、寄生虫の一種・顎口虫(がっこうちゅう)が皮膚に引き起こす「顎口虫症」の可能性のある患者が、県内で相次いで確認されていると報告しました。患者は100人を超えているようです。顎口虫の幼虫は、淡水魚などを宿主に成長します。同課は、9月以降にシラウオなどの淡水魚を生食し、かゆみや痛… 続きを読む>
ゾコーバ:本邦初のコロナ内服治療薬 2022年11月25日 ゾコーバ:本邦初のコロナ内服治療薬 厚生労働省は11月22日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経口治療薬「ゾコーバ錠125mg」(一般名:エンシトレルビルフマル酸)の緊急承認を認め、12月初頭から医療現場で使用できるよう供給を開始するとの見通しを示しました。ゾコーバは国内企業が創製した初の経口薬で、これまで新型コロナの治療薬として承認… 続きを読む>
フルロナ?フルコビット?コロナウイルスとインフルエンザの同時感染 2022年11月10日 フルロナ?フルコビット?コロナウイルスとインフルエンザの同時感染 「フルロナ」あるいは「フルコビット」といった単語をご存じでしょうか?この2つの単語は造語で、コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時感染のことです。「コロナウイルス」と「インフルエンザウイルス」に同時に感染している状態のことを指した造語です。今年の1月ごろに海外で重複感染した報告が… 続きを読む>
見逃されているHIV感染者 2022年10月26日 見逃されているHIV感染者 HIV(Human Immunodeficiency Virus)はヒト T 細胞に感染するレトロウイルスであり、細胞性免疫不全が主な病態です。ニューモシスチス肺炎をはじめとした日和見感染症や、ウイルスの直接関与の有無にかかわらず悪性腫瘍を発症することが知られています。世界的には HIV 患者数の増加は頭打ちになっている… 続きを読む>