帯状疱疹ワクチンは2種類あります

帯状疱疹ワクチンは2種類あります  帯状疱疹ワクチンが時々テレビでコマーシャルされています。 帯状疱疹は、過去に水痘(水ぼうそう)に罹患した人が、体内に潜伏する水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再燃によって発症する疾患です。水痘に罹患すると、体内ではVZV 特異的な細胞性免疫が誘導されて一度治癒しますが、VZV は知覚神経節に潜伏します。加齢、疲労、ス… 続きを読む>

子宮頸がんワクチン 積極的接種呼びかけの再開めぐる議論開始

子宮頸がんワクチン 積極的接種呼びかけの再開めぐる議論開始  接種の積極的な呼びかけが8年以上中止されている子宮頸がんワクチン(以下HPVワクチン)。厚生労働省の専門家部会が呼びかけを再開するかどうか議論を始めました。子宮頸がんは年間約1万人が罹患し、約2,800人が死亡しており、患者数・死亡者数とも近年漸増傾向にあります。特に、他の年齢層に比較して… 続きを読む>

アビガンが有効? -SFTS-

アビガンが有効? -SFTS-  ウイルスを保有するマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群」(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome : SFTS)が、熊本県内で急増しています。今年の感染者数は、過去最高だった昨年1年間を8月時点ですでに上回り、死者も出ました。熊本県によると、今年の感染者数は… 続きを読む>

梅毒の増加止まらず!新しい検査法と治療薬

梅毒の増加止まらず!新しい検査法と治療薬  日本における性感染症の発生動向調査によると、梅毒が 2012 年から急増しています。感染症法五類届出によりますと、その増加の程度は,2012 年に比し 2017 年には男性で 5.7 倍、女性で 10.3 倍と激増しています。1970年に 6,138 例を記録して以降 5,400 例を超えた年はなく、199… 続きを読む>

2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方

2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方 日本感染症学会から2021-2022 年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方1)が発表されたのでここで要約します。 幸いなことに、2020-2021 年シーズンは、インフルエンザウイルスの検出報告はほとんどなく 、心配されていたインフルエンザとCOVID… 続きを読む>

医療関係者のためのワクチンガイドライン2020(その2)―B型肝炎ワクチン

医療関係者のためのワクチンガイドライン2020(その2)―B型肝炎ワクチン  本邦での B 型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus;HBV)感染率は約 1% 程度と推定され、感染者はわが国に 150 万人存在していると考えられています。HBV は環境中で 1 週間以上も感染性を持ち、主に血液による感染や、場合によっては粘液にも分泌され、稀… 続きを読む>

新型コロナウイルス感染症に伴う嗅覚・味覚障害

新型コロナウイルス感染症に伴う嗅覚・味覚障害  新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の代表的な経過として、感染から約5日間(1~14日間)の潜伏期を経て、感冒様症状(発熱、咳、喀痰、咽頭痛、鼻汁等)、倦怠感、嗅覚・味覚異常などが出現し、これらの症状が1週間程度持続するとされます。一部の患者では嘔… 続きを読む>

医療関係者のためのワクチンガイドライン2020―MMRV

医療関係者のためのワクチンガイドライン2020―MMRV  日本環境感染学会では、医療機関における院内感染対策の一環として行う医療関係者への予防接種について「院内感染対策としてのワクチンガイドライン」を発行しており、2020年に第3版を発表しました。 麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・水痘(MMRV)ワクチンに関しては、1 歳以上で「2 回」の予防接種の記… 続きを読む>

高齢者の無菌性髄膜炎は帯状疱疹ウイルス

高齢者の無菌性髄膜炎は帯状疱疹ウイルス  いわゆる無菌性髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐のいわゆる3主徴をみとめ、髄膜刺激徴候が存在し、髄液検査でリンパ球有意な所見で、髄液から細菌を検出しないことで診断がなされる症候群です。多種多様の起因病原体があり、また、成人の場合は膠原病、悪性疾患などの様々な非感染性疾患でも無菌性髄膜炎を起こすことがあります。一般的な… 続きを読む>

発熱外来でCOVID-19陰性の人は百日咳が多い?

発熱外来でCOVID-19陰性の人は百日咳が多い?  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、多くの医療機関が発熱外来を開設しました。しかし、発熱外来におけるPCR検査陽性率は5~6%程度といわれています。医者はCOVID-19 陰性と判明した時点でほっとして、その他の発熱の原因究明がおろそかになっている可能性はないでしょうか? 松… 続きを読む>

誤嚥性肺炎の原因が舌苔にある

誤嚥性肺炎の原因が舌苔にある  肺炎は社会の高齢化を反映してその死亡者数は徐々に増加し、2011 年に初めて本邦の死亡原因の第 3位となりました。肺炎による死亡者の 95% 以上が 65 歳以上の高齢者で、入院を要する肺炎患者のうち、60 歳代では約 50% が誤嚥性肺炎で、さらに、年代が上昇するごとにその割合は上昇すると報告されています。高齢者肺炎… 続きを読む>

セレンとCOVID-19

セレンとCOVID-19  COVID-19のパンデミックに伴い、やはり栄養が大切であると改めて見直されており、研究報告が散見されるようになりました。スペイン風邪が流行したときに栄養不良の方が多く亡くなられたというデータがある反面、COVID-19では肥満、特にサルコペニア肥満の方は予後がよくないというデータは早くから報告されていました。この原因とし… 続きを読む>

新型コロナウイルス感染症と亜鉛

新型コロナウイルス感染症と亜鉛  新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染を原因とするCOVID-19が、パンデミック(世界的大流行)となっています。日本ではいわゆる第4波の流行が発生し、4都府県では3回目の緊急事態宣言が発令されています。COVID-19対策として① 原因ウイルス(SARS-CoV-2)への接触機会を減らす。② 私たちの身体… 続きを読む>

歯周病がアルツハイマー型認知症の原因になる

歯周病がアルツハイマー型認知症の原因になる  アルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」はアルツハイマー型認知症の症状の進行を抑えることを目的とした薬で、脳にたまった「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質を取り除き、神経細胞が壊れるのを防ぐとしています。FDAは、6月7日効果が合理的に予測されると評価し治療薬として承認しました。しかし、その薬価の高… 続きを読む>