コロナ抗原陰性、インフルエンザ抗原陰性 2023年8月24日 コロナ抗原陰性、インフルエンザ抗原陰性 発熱外来に多くの患者さんが来院されています。 厚生労働省ホームページより 新型コロナウイルス感染症は全数把握ではなくなったため定点医療機関からの集計で7月30日までのデータですが、6月末頃から少しづつ増加しています。8月24日現在、まだピークを越えたような実感はありません 厚… 続きを読む>
不思議の国のアリス症候群 2023年8月16日 不思議の国のアリス症候群 不思議の国のアリス症候群は、インパクトのある名称ですが、どんな病気なのでしょうか。 本疾患は脳の障害や異常にともなって起きる『変視』や『錯視』と呼ばれる見え方の異常が主な症状です。例えば、ものが大きく/小さく見える、自分の身体の大きさが変わる、周囲が大きく見えたり小さく見えたりする、自分の身体が変形したように見える、風船玉… 続きを読む>
ペルーでギランバレー症候群激増中 2023年8月1日 ペルーでギランバレー症候群激増中 南米ペルー政府は11日までに、筋力低下や感覚まひが起きる神経疾患ギラン・バレー症候群の発症が増加し死者も出ているとして、全土に保健衛生に関する90日間の緊急事態を宣言しました(2023年07月12日共同通信社) 。ギラン・バレー症候群(Guillain-Barre syndrome (以下GBS))とは、キャンピロ… 続きを読む>
難治性肺 Mycobacterium avium complex 症における ALIS 治療 2023年7月13日 難治性肺 Mycobacterium avium complex 症における ALIS 治療 肺非結核性抗酸菌症(Nontuberculous Mycobacterial Infectious pulmonary disease: NTM-PD)の患者数の増加は世界的に問題となっており、本邦でも2014年にNTM 患者の罹患率は菌陽性肺結核患者を凌… 続きを読む>
非結核性抗酸菌症とアスペルギルス 2023年7月5日 非結核性抗酸菌症とアスペルギルス 非結核性抗酸菌症(nontuberculous mycobacteria : NTM)とは、結核菌以外の抗酸菌の感染によって起こる慢性の呼吸器疾患で、ヒトーヒト感染を起こさない非感染性の抗酸菌感染症です。非結核性の抗酸菌には多くの種類がありますが、日本国内では、MAC症(Mycobacterium avium-in… 続きを読む>
見逃されている家族性地中海熱 2023年6月13日 見逃されている家族性地中海熱 家族性地中海熱(familial Mediterranean fever ; 以下FMF)は繰り返す発熱と漿膜炎発作を特徴とする常染色体劣性遺伝性の自己炎症疾患です。病名の通り地中海民族に多い疾患で、かつては本邦では極めて稀と考えられていましたが、責任遺伝子であるMEFV((familial Mediterranean… 続きを読む>
多彩な症状を呈するエルシニア感染症 2023年6月1日 多彩な症状を呈するエルシニア感染症 Yersinia(エルシニア)感染症は、通常、食中毒原因菌として知られるエルシニア菌によって引き起こされる感染症です。あまり発生頻度は高くなく、これまであまり注目を浴びることが少なかった感染症ですが、近年、集団感染の発生の増加などにより、社会的に関心を集めることが多くなりました。 エルシニアは腸内細菌科に属するグ… 続きを読む>
今後、麻疹の増加が危惧されます 2023年5月23日 今後、麻疹の増加が危惧されます 関東地域で麻疹が複数名発生していますhttps://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/yobo/kiki/yobo/kansen/idwr/press/documents/masin2.pdf 同一新幹線内での感染が疑われているようですが、やはりその感染力は非常に強いです。 日… 続きを読む>
日常的な土いじりは破傷風のリスクファクター 2023年5月11日 日常的な土いじりは破傷風のリスクファクター 破傷風は土壌に存在する破傷風菌の侵入により引き起こされる感染症です。破傷風菌の産生する神経毒素により運動ニューロンの抑制シグナル伝達が阻害され、全身の筋緊張亢進をきたし、重篤化すると自律神経障害を引き起こす疾患です。破傷風症例のうち約 80%は人工呼吸管理を要するとされ、創処置、抗菌薬投与、鎮静管理など全… 続きを読む>
大人もかかるヘルパンギーナ、熊本県で増加中 2023年4月27日 大人もかかるヘルパンギーナ、熊本県で増加中 2023年4月10~16日の熊本県感染症情報によると、県内50定点医療機関から報告されたヘルパンギーナの患者報告数は129人で、前週比1・8倍に急増しました。例年6月ごろから増え始め、7~8月にピークを迎えるのですが、県健康危機管理課は、今年は増加期が早まっているとして、注意を呼びかけています。同課による… 続きを読む>
さまざまな病気を起こすEBウイルス 2023年4月18日 さまざまな病気を起こすEBウイルス この3年間にコロナ感染症対策として飛沫・接触感染対策を行ってきた結果、その他のウイルス感染症も激減し、これからコロナ感染対策が緩和されるに従い、多くの感染症が出現する可能性があります。多くの感染症は免疫がまだ成熟していない幼少児期に感染し、軽症で済んで抵抗力を身に着けていくものですが、成人になって初感染すると重症… 続きを読む>
マイコプラズマとプロカルシトニン(procalcitonin : PCT) 2023年4月4日 マイコプラズマとプロカルシトニン(procalcitonin : PCT) PCT はアミノ酸 116 個よりなる分子量約 13kDaのペプチドで 、正常ではカルシトニンの前駆体として甲状腺 C 細胞で合成されます。しかし、細菌、寄生虫、真菌による重篤な感染症においては、その菌体や毒素などの作用により、TNF-αなどの炎症性サイトカインが産生され、… 続きを読む>
男性にもHPVワクチンを 2023年3月24日 男性にもHPVワクチンを 厚生労働省がHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン(子宮頸がんワクチン)を男性にも無料接種が可能になるよう検討を進めているようです。現在、HPVワクチンのうち「2価」と「4価」は、小学6年から高校1年の女性は国の助成により無料で接種可能となっています。この2種類のうち「4価」に関しては、男性に対しても中咽頭がん、肛門がん… 続きを読む>
自宅風呂でも起こりうるレジオネラ肺炎 2023年3月2日 自宅風呂でも起こりうるレジオネラ肺炎 ここ数日、老舗温泉旅館がお湯の入れ替えや掃除を怠って多量のレジオネラ菌が検出されたという報道がながれています。 レジオネラ属菌は本来土壌などの自然環境中の細菌で少なくとも46の種と、70の血清型が知られています。人への病原性は15の血清型が知られています。通性細胞内寄生性菌で、冷却塔、給湯系、渦流浴などの人工環… 続きを読む>
梅毒治療に伴うNicolau 症候群―臀部への筋注は注意― 2023年2月16日 梅毒治療に伴うNicolau 症候群―臀部への筋注は注意― 日本中で梅毒が増加しています。梅毒の主な感染経路は性的な接触で、キスや性行為などで感染が広がります。潜伏期間でも感染者の粘膜や傷のある皮膚に直接触れると感染することがあります。感染増加の原因として避妊具を用いない性行為が感染のリスクを高めますが、このコロナ禍のなかでインターネットを通じた不… 続きを読む>