Film Array 呼吸器パネルの使い方

Film Array 呼吸器パネルの使い方  肺炎診療において原因微生物の同定は基本で、それによって治療法が変わってきます。肺炎においては喀痰培養で原因菌検索がなされてきましたが、検出率が悪く、40%程度が原因不明とされてきました。また、培養検査によらない近年の遺伝子工学的手法の発展に伴い市中肺炎の患者の約30~50 % でウイルスが検出されたと報告… 続きを読む>

抗菌薬関連脳症―セフェピム脳症―

抗菌薬関連脳症―セフェピム脳症― 抗菌薬関連脳症(antibiotic-associated encephalopathy;AAE)は、入院患者における意識障害の原因の一つとして知られていますが、十分認知されているとはいえません。患者さんは高齢者で、認知症のかたも多いと思われ、夜間せん妄や、認知症の周辺症状と誤診されていることが多いと思われます。 … 続きを読む>

マイコプラズマ感染の合併症

マイコプラズマ感染の合併症  マイコプラズマは、ウイルスなみに小さい微生物です。マイコプラズマは、細菌に見られる細胞壁を持たず、そのため形が整っていません。いろいろな形が見られます。また細菌の細胞壁の合成を邪魔することによって効く種類の抗生物質(たとえば、ペニシリン)は無効です。マイコプラズマは、ウイルスのように他の生物の細胞の力を借りて増殖するので… 続きを読む>

増加しているメトロニダゾール脳症

増加しているメトロニダゾール脳症  メトロニダゾール(MNZ)は嫌気性菌および原虫に抗菌活性をもち1961 年より腟トリコモナス症の治療薬として国内で承認されました。その後徐々に適応が拡大され、現在は中枢神経移行性のよさから脳膿瘍や嫌気性菌感染による肝膿瘍、骨盤内炎症性疾患、クロストリジウムディフィシル腸炎、ヘリコバクター・ピロリ感染症などに主に使用… 続きを読む>

経鼻インフルエンザワクチンーフルミストー

経鼻インフルエンザワクチンーフルミストー  最近の数年間は年間5000万ドーズ以上のインフルエンザワクチンが使用されており、毎年約4割の国民がインフルエンザワクチンを接種していると考えられています1)。一方で2018/19シーズン(2018年9月~2019年8月)に医療機関を受診したインフルエンザ患者は1200 万人以上と考えられており、現在のように… 続きを読む>

猫ひっかき病の非定型例の診断は難しい

猫ひっかき病の非定型例の診断は難しい  猫ひっかき病(cat scratch disease:CSD)は,主にBartonella henselaeによる人畜共通感染症です。グラム陰性桿菌であるBartonella 属の菌は20種類が知られていますが、ヒトに病原性を示すのは7菌種です。ヒトに固有の菌種は2菌種で、ヒトと動物に感染する人獣共通の菌種は5… 続きを読む>

マイコプラズマ肺炎が急増 大流行した8年前以来の水準に

マイコプラズマ肺炎が急増 大流行した8年前以来の水準に  発熱や長引くせきといった症状が特徴で、子どもが感染することの多いマイコプラズマ肺炎の患者が急増していて、大流行した8年前以来の水準となっています。専門家は「今後、さらに拡大するおそれもあり、基本的な感染対策を行ってほしい」と呼びかけています(08月23日 NHK news )。 … 続きを読む>

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)が増えています

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)が増えています  日本の2024年の劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告数は6月2日時点で1999年に統計を取り始めて以降最多であった2023年の報告数を既に超えており、厚生労働省が注意を呼び掛けています。 厚生労働省ホームページより参照  溶血性レンサ球菌(溶連菌)には、多くの種類があり、一… 続きを読む>

少しでも迷ったら破傷風トキソイド筋注

少しでも迷ったら破傷風トキソイド筋注  破傷風は、破傷風菌(Clostridium tetani) が産生する破傷風毒素により発症する感染症で、 3 ~ 21 日間程度の潜伏期を経て、開口障害や痙笑、嚥下困難等の症状で発症します。重篤な場合は後弓反張や、強直性けいれん、呼吸筋麻痺による呼吸困難や窒息死に至ることもあります。破傷風菌は世界中の土壌中に芽… 続きを読む>

SFTSはCRPが上昇しにくい

SFTSはCRPが上昇しにくい  熊本県は70代の男性がマダニが媒介する感染症『SFTS:重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome』に感染し死亡したと6月6日に発表しました。SFTSに感染し死亡したのは芦北郡に住む74歳の男性です。熊本県によると、男性は全身の倦怠感や脚のもつれな… 続きを読む>

増加している感染性心内膜炎の診断

増加している感染性心内膜炎の診断  感染性心内膜炎は,疾患名としてはよく知られていますが、診断は必ずしも容易ではなく、しばしば不明熱として扱われ、適格な診断と手術を含む治療が遅滞なく行われなければ合併症により死亡する、“致死的疾患”です。感染性心内膜炎の死亡率は高く、20%を超えるという報告もあります1)。死亡率が高い原因のひとつとして診断が遅れるこ… 続きを読む>

上部消化管内視鏡検査による糞線虫症診断

上部消化管内視鏡検査による糞線虫症診断  近年、医学の発達とともに免疫抑制療法が多く行われるようになり、潜伏していた感染症が再燃して重症化する再活性化が問題となっています。特に B型肝炎ウイルスなどがその代表です。再活性化はウイルスのみならず細菌でも当然起こり得るもので医療従事者は常時注意しています。結核や弱毒菌感染などです。しかし、意外に忘れられて… 続きを読む>

風邪の後の咳が止まらないー感染後遷延性咳嗽

風邪の後の咳が止まらないー感染後遷延性咳嗽  咳は、急性上気道炎・気管支炎や、それらが治癒した後に咳だけが残る感染後咳嗽、タバコ気管支炎、ACE(angiotensin-converting enzyme阻害薬の副作用等、身近な原因で生じる極めてありふれた症状です。喘息を有しない成人一般住民の約10%が3週以上続く咳を有しており、患者の診療所受診動機… 続きを読む>

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が人から人へ感染

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が人から人へ感染  マダニを通じて感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が人から人へ感染したケースを国内で初めて確認した、と国立感染症研究所が19日発表しました。発表によると、人から感染したのは20代の男性医師。2023年4月にSFTSと診断された90代男性の診療を担当し、この患者が死亡後にカテーテルを外すな… 続きを読む>