渡航者下痢症は病原性大腸菌が最も多い

渡航者下痢症は病原性大腸菌が最も多い  航空網の発達や経済のグローバル化に伴い、世界的に海外渡航者数が増加し、日本でも観光、ビジネス、調査・研究、技術援助などの目的で、海外に渡航する人が増えています。  国土交通省https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/shutsunyukokusha… 続きを読む>

結節性紅斑の原因は感染症が多い

結節性紅斑の原因は感染症が多い  結節性紅斑は、皮膚の下に圧痛を伴う赤色または紫色の膨らみ(結節)が生じる脂肪織炎(皮下脂肪組織の炎症)の一種で、最もよくみられる部位はすねの皮膚ですが、腕など他の部位に生じることもあります。 プライマリケアの現場では皮疹を主訴に受診される人も多く、ある程度の鑑別診断が必要です。皮疹には原発疹と続発疹があります。診断は… 続きを読む>

インフルエンザ検査はあくまで診断の補助です

インフルエンザ検査はあくまで診断の補助です  インフルエンザが全国的に流行しています。 国立感染症研究所 2024年12月24日より引用  国立感染症研究所のホームページには全国的にインフルエンザの警報や注意報が出されています。 インフルエンザの診断にはほとんど迅速抗原検査( rapid antigen detecting tes… 続きを読む>

沖縄で百日咳が流行しています

沖縄で百日咳が流行しています  沖縄県で百日咳が流行しており注意喚起がされています1)。 文献1)より転載  沖縄県での報告です。2019年に大きな流行がありましたが、2024年も急増し2019年に迫る勢いで増加しています。百日咳はマイコプラズマ同様数年の周期で流行することが知られています。 百日咳は百日咳菌(Bordetella… 続きを読む>

食品取扱者の便のサルモネラ陽性者

食品取扱者の便のサルモネラ陽性者  時々外来に定期的に行っている便検査でサルモネラ菌が陽性に出たので除菌してほしいという方が来られます。果たして無症状の人のサルモネラ菌を除菌すべきでしょうか。 文献1)より転載  サルモネラは熱性疾患であるチフス症を起こすチフス性サルモネラと下痢、腹痛などの胃腸炎症状を起こす非チフス性サルモネラに… 続きを読む>

妊婦さんはQ熱感染に注意

妊婦さんはQ熱感染に注意  Q熱はリケッチアやレジオネラに近縁なコクシエラ属のCoxiella burnetii(以下コクシエラ)の保菌動物である野生動物や家畜、ペットなどからヒトへ感染して発症する人畜共通感染症です。コクシエラはリケッチアやクラミジアなどと同様に偏性細胞内寄生性(別の生物の細胞内でのみ増殖可能で、それ自身が単独では増殖できない微生物… 続きを読む>

Film Array 呼吸器パネルの使い方

Film Array 呼吸器パネルの使い方  肺炎診療において原因微生物の同定は基本で、それによって治療法が変わってきます。肺炎においては喀痰培養で原因菌検索がなされてきましたが、検出率が悪く、40%程度が原因不明とされてきました。また、培養検査によらない近年の遺伝子工学的手法の発展に伴い市中肺炎の患者の約30~50 % でウイルスが検出されたと報告… 続きを読む>

抗菌薬関連脳症―セフェピム脳症―

抗菌薬関連脳症―セフェピム脳症― 抗菌薬関連脳症(antibiotic-associated encephalopathy;AAE)は、入院患者における意識障害の原因の一つとして知られていますが、十分認知されているとはいえません。患者さんは高齢者で、認知症のかたも多いと思われ、夜間せん妄や、認知症の周辺症状と誤診されていることが多いと思われます。 … 続きを読む>

マイコプラズマ感染の合併症

マイコプラズマ感染の合併症  マイコプラズマは、ウイルスなみに小さい微生物です。マイコプラズマは、細菌に見られる細胞壁を持たず、そのため形が整っていません。いろいろな形が見られます。また細菌の細胞壁の合成を邪魔することによって効く種類の抗生物質(たとえば、ペニシリン)は無効です。マイコプラズマは、ウイルスのように他の生物の細胞の力を借りて増殖するので… 続きを読む>

増加しているメトロニダゾール脳症

増加しているメトロニダゾール脳症  メトロニダゾール(MNZ)は嫌気性菌および原虫に抗菌活性をもち1961 年より腟トリコモナス症の治療薬として国内で承認されました。その後徐々に適応が拡大され、現在は中枢神経移行性のよさから脳膿瘍や嫌気性菌感染による肝膿瘍、骨盤内炎症性疾患、クロストリジウムディフィシル腸炎、ヘリコバクター・ピロリ感染症などに主に使用… 続きを読む>

経鼻インフルエンザワクチンーフルミストー

経鼻インフルエンザワクチンーフルミストー  最近の数年間は年間5000万ドーズ以上のインフルエンザワクチンが使用されており、毎年約4割の国民がインフルエンザワクチンを接種していると考えられています1)。一方で2018/19シーズン(2018年9月~2019年8月)に医療機関を受診したインフルエンザ患者は1200 万人以上と考えられており、現在のように… 続きを読む>

猫ひっかき病の非定型例の診断は難しい

猫ひっかき病の非定型例の診断は難しい  猫ひっかき病(cat scratch disease:CSD)は,主にBartonella henselaeによる人畜共通感染症です。グラム陰性桿菌であるBartonella 属の菌は20種類が知られていますが、ヒトに病原性を示すのは7菌種です。ヒトに固有の菌種は2菌種で、ヒトと動物に感染する人獣共通の菌種は5… 続きを読む>

マイコプラズマ肺炎が急増 大流行した8年前以来の水準に

マイコプラズマ肺炎が急増 大流行した8年前以来の水準に  発熱や長引くせきといった症状が特徴で、子どもが感染することの多いマイコプラズマ肺炎の患者が急増していて、大流行した8年前以来の水準となっています。専門家は「今後、さらに拡大するおそれもあり、基本的な感染対策を行ってほしい」と呼びかけています(08月23日 NHK news )。 … 続きを読む>